サッカー
二宮寿朗「鹿島、G大阪、横浜FM――問われるフロント力」

 2012年のJリーグには“春の嵐”が吹き荒れている。

 昨季4位とはいえ、戦力的には劣ると見られていたベガルタ仙台が唯一の負けなしで首位を快走。名門の横浜F・マリノスはいまだ1勝も挙げられずに15位と低迷し、優勝候補の一角であるガンバ大阪、鹿島アントラーズが16位、17位と下位に沈んでいる(4月18日現在)。

 鹿島、G大阪、横浜に共通しているのは今季から指揮官が代わっているという点だ。そこで今回は監督選びをテーマに論じることにしたい。

芽吹きつつあるジョルジーニョ体制

 まず鹿島だが、史上初の3連覇を達成したオズワルド・オリヴェイラが契約更新のタイミングでブラジル帰国を選択したことを受け、クラブOBのジョルジーニョを招聘した。しかし、開幕戦で仙台に敗れ、以降も結果がなかなか出ず、サポーターがクラブ側に説明を求めてスタジアムに居残る出来事も起こった。だが、初勝利を挙げたFC東京戦(4月14日)を味の素スタジアムで見てきたが、サッカー自体に大きな混乱は出ていないように見受けられた。堅い守備からのショートカウンターなど、持ち味である守から攻への素早い切り替えに対するチームの意思統一がこの試合では見られたからだ。

 これまでも鹿島の次期監督候補には常に、ジョルジーニョの名前があった。ジョルジーニョ自身もクラブの方針を熟知しているという利点に加え、キャプテンの小笠原満男や中田浩二、本山雅志らベテランからの信頼を集めていることも、チームづくりを進めていくうえでは重要な要素と、クラブ側は判断したのではないか。

 運動生理学や分析力など細かいチームマネジメントに長けたオリヴェイラと比べると新監督に足りない要素は多分にある。だが、この人事にはサポーターも理解を示したはずである。選手側からも「監督は選手の意見もしっかり聞いてくれる」という声をよく聞く。野沢拓也(神戸)の抜けた穴が予想以上に大きいことは事実だが、14日の試合を見る限り、ここから先も残留争いに身を置くような低迷が続くとは考えにくい。