山本昌邦「FootBallマネジメント」

契約書にサインをした瞬間から、チームを離れるカウントダウンははじまっている---ガンバとフロンターレが監督交代に踏み切った理由

2012年04月17日(火) 山本 昌邦
ホーム等々力スタジアムでの開幕戦、アルビレックス新潟との戦いを見守る相馬監督〔PHOTO〕gettyimages

 こんなシーズンは、おそらく初めてではないでしょうか。J1リーグ開幕から1ヵ月ほどで、すでに2チームが監督交代の決断を下しました。3月にブラジル人のセホーン監督を解任したガンバ大阪に続いて、4月11日には川崎フロンターレが相馬監督との契約を解除しました。

 相馬監督が解任されたというニュースを見聞きしたとき、「早い」と思った方がいたかもしれません。

 今シーズン最初の監督交代となったセホーン前監督は、公式戦で5試合連続黒星を喫していました。それに対して相馬監督は、リーグ、カップ戦を合わせて2勝2分け3敗という成績でした。リーグ戦の順位は11位です。一般的な印象としては、「確かに良くはないけれども、極端に悪くもないのでは」というものだったでしょう。フロンターレより結果が出ていないチームもありました。そうしたことから、「早い」と思われた方がいたのだと思います。

 ガンバとフロンターレは、なぜ早期の監督交代に踏み切ったのか。

 私自身は「乖離」という言葉を思い浮かべます。

 監督を新たに招くときや契約を更新する際には、フロントと監督の間で目標が設定されます。「こういうサッカーをして、こういう結果を残してほしい」というものです。

 試合内容がそれなりに良くても、結果が出なければ目標を達成していることにはなりません。逆に、結果を残しても内容が置き去りにされていたら、当初の目標とはかけ離れていることになります。

スタートダッシュが至上命題だった?

 フロンターレのフロントが発表したコメントには、タイトル獲得という目標へ向けて始動したが、結果は当初の期待に応えていない。また、「フロンターレらしいエキサイティングなサッカーが影を潜めて、チームが活気を失っている」ということが理由にあげられていました。そのうえで、「苦渋の決断」を下したとしています。現実との乖離をいち早く埋めなければいけない、というジャッジを下したのでしょう。

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