ゴルフ
マスターズ後日談。お祭り気分にピリオド!

文/舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)

 マスターズから1週間が経った今も、米ゴルフ界には熱戦の余韻が続いており、後日談も続々と耳に入ってくる。

 ずいぶん、いろんなことがあった。最終日、ババ・ワトソンの優勝が決まり、パトロンたちが帰路につこうとしたそのとき、「砂泥棒」が逮捕されたという。

 オーガスタのバンカーの砂を、飲みモノのプラスチックカップに入れて持ち帰ろうとした酔っ払いがポリスに捕まり、連行された。

 甲子園の砂だって持ち帰るのだから、バンカーの砂ぐらい?

 いやいや、オーガスタナショナルやマスターズ委員会が、そんなことを許すはずがない。伝統と格式を重んじ、厳格な決めごとにのっとって運営されるあの場所から持ち帰ることが許されるのは、それぞれの脳裏に焼き付けた名勝負と名シーンだけなのである。

ワトソンのその後

 その名勝負を披露したワトソン自身は、優勝したその夜、オーガスタで勝利の美酒に酔うことなく、大急ぎでフロリダに戻っていった。

 フロリダ州のバグダッドという街で生まれ育ったワトソンは、アリゾナ州スコッツデールに居を構えている。だが、養子縁組をフロリダ州で行なったワトソン一家は、そのプロセスがすべて完了するまで州内に留まらなければならない。そのため、今はフロリダ州オーランドのアイルワースに家を借りている。

 プライベートジェットに乗り込み、オーガスタを夜遅くに出発したワトソンがオーランドの家に到着したのは月曜未明の午前3時ごろだった。一目散に長男が眠るベビーベッドのそばへ行き、グリーンジャケットをベッドの上に広げて掛け、寝顔に見惚れ、それから睡眠わずか3時間で再び起きて、念願のオムツ替えを体験して感無量。

「よし、これから僕はこの子のオムツ代を稼ぐためにプレーする!」

 幼少時代、父親にゴルフの基本中の基本だけを教わって以後、ただの1度もコーチを付けたことがないワトソンだが、我流一筋でマスターズチャンプになったのだから、彼が「これからもコーチを付ける気はない」と声高に叫ぶのは、当然だ。

「将来、何が起こるかは、わからない。たとえ何が起ころうとも、ババはずっとババのままです」

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