勝間和代「日本の正論」

勝間和代(経済評論家)×村木厚子(内閣府政策統括官兼待機児童ゼロ特命チーム事務局長)vol.2"空気のような差別"が満ちるこの国で女性が直面する「産み悩み」と「育ての苦労」

2012年04月21日(土) 勝間 和代
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vol.1はこちらをご覧ください。

勝間: 単純な発想として、国にとって子どもが生まれれば将来その子どもたちが納税するんだから、投資だと思えばいいんだと思うんです。

村木: そういう意味では社会保障のなかでも、いちばん投資的な要素というか回収できる要素が強いのは子どもの分野だと思いますね。

勝間: それを皆さんあまり大きな声で言わないのはなぜなんでしょうか(笑)。

村木: 保育・幼児教育が変わるといろいろ良い面があります。一つはお母さんが働けるということ。雇用が生まれるだけでなく、子どもが生まれることによって将来の支え手が増えるという面もあります。

 OECD諸国の人々がよく言うんですよ。「小学校1年生から教育がスタートするわけではない」と。小学校までの初期投資が人材育成にとっては非常に大事だし、その初期投資は非常に効率が良いと言われているんです。子どもに対する投資は、何重にも良い効果があると思うんです。

 たしかに高齢化がここまで進んで、年金にも医療にも介護にもものすごくお金がかかって、借金しながらそれを賄うという状況になってからの子育てへの投資なので、なかなか景気のいいことは言えないんですが、だからこそ今やっておかなければますます苦しくなってきます。

勝間: その文脈で言うと、もう一つ不妊治療の問題がありまして、北欧3国の少子化対策として、不妊治療による成果で出生率を0.2~0.3程度上げているんじゃないかと言われていますね。日本は、ちょっとした補助をつけていますが、ある意味「自腹で何とかしろ」という国ですよね。

村木: そうですね、不妊治療にはたいへんお金がかかります。経済的な支援は強化もしているんですが、その一方で課題とされているのが、年齢によって治療効果に大きな違いがあるということなんですね。

勝間: それを専門家と議論していまして、日本ではある意味で効果がないとわかっているのに不妊治療をするクリニックが多すぎる、と。

村木: 不妊治療の効果を上げるためにも、ご本人が結果が出ないのに苦しまなくて済むためにも、どういう形の不妊治療が良いのかということを、もう少し共通認識として持たなければいけないということと、妊娠や出産に対する知識の情報提供をもう少しやらなければならないんじゃないか、という議論があります。

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