現地視察でわかった安全とほど遠い大飯原発の実情
「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン」Vol.011より
【「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジン」Vol.011 目次】
■マスコミが騒ぐ「君が代斉唱」問題に決着をつけるときが来た
 ・君が代は国歌として受け入れられている
 ・開いた口がふさがらない教育委員会委員長の発言
 ・君が代斉唱問題は5年でなくなる
■現地視察でわかった安全とほど遠い大飯原発の実情
 ・不十分な津波対策
 ・むき出し状態で置かれた電源車や給水ポンプ
 ・勇気ある古舘発言

〔PHOTO〕gettyimages

 3月20日春分の日、大飯原発に視察に行った。大阪府市統合本部の下にあるエネルギー戦略会議のメンバーによる視察だ。エネルギー、原発のプロが集まっている。

 余談だが、エネルギー戦略会議のメンバーはみなさん超多忙だ。日程調整が難しく、その結果、これまでの3回とも休日または平日の夜だった。そして、この日の視察も休日返上。第4回も4月1日でまた日曜日ということになっている。ただ、これを続けているとメンバーには休みがなくなってしまうし、何よりも府市の職員が疲弊してしまう。第5回からは何とか平日の昼間に行うようにしようと申し合わせた。

 京都9:45発の湖西線で近江今津まで50分。空気は冷たいが日差しはもう春という感じだ。琵琶湖を囲む風景が美しい。近江今津では、改札を出たところでうなぎ弁当が売っている。京都駅でありきたりの巻きずしの弁当を買ってしまったので、残念ながらこれはパス。

 近江今津から、JRバスで小浜まで1時間。そこからJRで若狭本郷まで20分程度だったろうか。途中特別参与で原子力コンサルタントの佐藤暁氏を発見。隣に座って弁当を食べながら氏の話を聞く。原発のことは関電の人より詳しい。若狭本郷に着くと6名の特別参与が同じ電車に乗っていたことがわかった。府や市の職員も一緒にタクシーで大飯原発に向かった。到着したのは13時少し前。事務所で関電からの説明がある。会議室には多数のマスコミ関係者が終結、テレビカメラもずらりと並んだ。ところが、我々の視察にプレスが同行できないという。一部、屋外の視察のときに合流するが大半の行程にマスコミは入れな い。

 今回の視察の目的はエネルギー戦略会議の委員の勉強もあるが、府民市民に代わっての視察という面もある。マスコミに入ってもらえば大事なところを報道してもらえるので可能な限りマスコミを入れて欲しいと頼んだが、セキュリティの関係で難しいとか、中が狭いのでというような理由で一切だめということだった。

不十分な津波対策

 議論の結果わかったのは、実はマスコミを入れない理由はないということ。カメラも特定の方向を向けての撮影はダメだが、指示に従えば良いという。カメラなしなら記者でも入れる。ならば、代表取材で一人入れればいいだろうと押し問答したが、結局関電はまったく譲歩せず、プレス締め出しでの視察となった。

 この体質が福島原発事故を起こした東電の隠蔽体質と共通するのではないかとの思いを強くする。安全だというなら、それを積極的に見せていけばよいのに、自分たちの都合の良いところだけを見せたいということ。都合の悪いところは見せたくないし、委員とのやりとりも困ったところを映されるのが嫌だということだろう。

 作業服に着替えてバスで屋外の視察が始まる。海岸沿いにある防潮堤。この高さが足りないのでかさ上げの工事が必要だということになっている。しかし、それは緊急対応ではなく中期的課題と整理されていて、今はまだ工事さえ始まっていない。一年以上かかるらしい。では、安全とは言えないのでは? との問いに対して、十分安全との答え。ならば、工事は不要ということかと聞くと、中期的には必要だと言う。意味がわからない。

 つまり、ここ1~2年は大きな津波は来ないが5年後には来るかも知れないと予知しているという意味合いになるが、そんなことは誰にもわからない。再稼働した後すぐに巨大地震と津波が襲ってくるかもしれない。この一点を見ただけでも安全というには程遠いことがわかる。