ゴルフ
マスターズ2日目。20歳の石川遼と52歳のカプルス、2人の差は、一体、何だったのか

 「過去チャンプのフレッド・カプルスが、びっくりするような攻め方を見せるかもしれないですよね」

 予選2日間をカプルスと同組で回ることになった石川遼に、開幕前、そう告げたことを何度も思い出しながら、石川を眺めていた。

 マスターズに夢を馳せた20歳の石川は76-77の通算9オーバー、77位タイという惨憺たる結果で予選落ち。一方、52歳のフレッド・カプルスは72-67の通算5アンダーで華麗に首位タイへ浮上した。

92年のマスターズチャンプがオーガスタを熟知したベテランの攻めや技を予選2日間のどこかで、ちらりと見せるだろうと、そのぐらいの意味合いで、私は冒頭の言葉を開幕前の石川に投げかけた。だが、まさか2人のスコアと結果が、これほど両極端になろうとは、さすがに思っていなかった。

石川とカプルス。2人の差は、一体、何だったのだろうか。

完璧じゃなくていい

 初日は2連続ボギー発進となった石川は、2日目も出だしで大きく躓き、トリプルボギー発進になった。ティショットを左の林へ入れ、第2打はグリーン左の観衆の中へ打ち込み、そこからの寄せを2度失敗した挙句に3パット。1番ホールはショットもパットもすべてが悪しきスタートとなった。

 だが、初日も2日目も、石川のゴルフのすべてが悪かったかと言えば、決してそういうわけではなかった。

 一方、カプルスの2日間のゴルフはどうだったのか。一緒に回った石川は、こんなふうに感じ取っていた。

 「フレディの全部のショットが完璧だったわけじゃない。100点満点を続けるのは不可能だけど、フレディは70点、80点のショットを常に打ち、50点以下のショットを打つことがなかったのがすごい。僕は90点もあれば30点、20点もあった」

 完璧じゃなくてもいい――開幕前の会見でタイガー・ウッズが口にしたのも、このフレーズだった。

 「外していい側に1ヤード外すか、外してはいけない側に1ヤード外すかが問題」

タイガーは1ヤードの誤差を容認し、もしミスして外すのなら、どちらはOK、どちらはダメか。その見極めこそが大切なのだと強調していた。

 だが、石川は、完璧を求めすぎてしまった。完璧とまでは言わずとも、常に80点、90点の高得点を求めてしまい、何かがほんの少し狂ったりズレたりすると、結果は一気に低い点数になる……そんなゴルフをしてしまったからこその予選落ちであったことを、彼はすでに認識していた。

「1つのミスが、こうやって大きな崩れを招いてしまった」

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