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パ・リーグ一筋29年、歴代1位17回の退場宣告をしたベテランが明かす〝もう一つの激闘〟元プロ野球審判が告白
「乱闘寸前ジャッジの舞台裏」

2012年04月08日(日) フライデー
friday
3月15日に西武第二球場で行われた、楽天対西武の春季教育リーグ戦後に撮影。山崎氏は北大を卒業後に入社した日刊スポーツを辞めて、プロ野球の審判にチャレンジ〔PHOTO〕岡村敏男

 パ・リーグ一筋29年、歴代1位17回の退場宣告をしたベテランが明かす〝もう一つの激闘〟元プロ野球審判が告白「乱闘寸前ジャッジの舞台裏」

 これは、プロ野球の名選手のプロフィールではない。歴代1位の17回にのぼる退場宣告をしたパ・リーグの審判、山崎夏生氏(56)の経歴だ。山崎氏は、選手や監督と判定をめぐって衝突したり、ファンからのヤジに耐えた現役時代を綴った『プロ野球審判 ジャッジの舞台裏』(北海道新聞社)を3月10日に出版した。名プレイヤーとの、思い出を振り返り、

「長年見ていて、一流になるのは図太く自分の思いを貫ける選手です」

 そう言って山崎氏がまず名前を挙げたのは、近鉄のエースとして活躍し、ドジャースに移籍した野茂英雄(43)である。

「彼は審判にまったく興味を持っていませんでした。通常の投手はボールと判定されれば、横に外れたのか高すぎたのかストライクゾーンが気になるものです。しかし野茂は、そんなことお構いなしにドンドン投げ込んでくる。彼は’95年にメジャーリーグへ移籍しますが、ある時、日本と米国のストライクゾーンの違いについて尋ねたことがあります。すると野茂は『う~ん』としばらく考えてから、『気にしたことないですね』と答えるんです。彼にとって、審判の判定などどうでもよい。自分の納得のいく球が投げられればそれで良かったのでしょう」

 野茂のストレートは「バズーカ砲のように重みがあり、フォークは30㎝も落差があって目の前から消えた」と山崎氏は語る。捕手の後ろにいても恐怖心が湧くほどの球威で、試合前のメンバー表に「先発・野茂」と書かれてあると審判たちは一様にため息をついたという。

 巨人で173勝を挙げた桑田真澄(43)も、信念を曲げない投手だった。

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