Closeup 中島裕之(西武)「ヤンキースと交渉決裂」本当の理由
西武のリーダーとしての自覚も強い。宮崎での南郷キャンプでは、チームになかなか溶け込めないゴンザレスやカーターなどの新加入外国人を焼き肉に誘い話を聞いた[PHOTO]ジジ(以下同)

「傷心なんてウソ」と笑い飛ばし、今年は打点王を獲ると力強く宣言した!

 開幕を目前に控えた西武・中島裕之(29)の機嫌は、すこぶる良かった。3月22日のオープン戦でも、ロッテのエース成瀬善久(26)の内角低めの難しい直球を振り抜くと、打球は左翼席へ。逆転のツーランとなり、試合後に報道陣へ自らの打撃を絶賛してみせた。

「シーズン中に、何度かしかできない打ち方ですね。あのコースだとファウルになることが多かったけど、ボールをうまくバットに乗せられました」

 今季も〝ライオンズの顔〟として3番遊撃手を任される中島だが、’12年は決して順調なスタートを切れたわけではない。ポスティングシステムでのメジャーリーグ移籍を希望したが、交渉権を獲得したヤンキースとの話し合いが破談になってしまったのである。交渉期限前日の1月5日には自ら渡米したが、契約内容が折り合わず決裂。スポーツ紙には、「中島〝傷心帰国〟」「西武と〝無念の再契約〟」などの見出しが躍った。

 だが本誌に初めて当時の心境を詳しく語った中島の表情は、意外と明るい。

「傷心だなんて、別になんとも思っていませんでしたよ。交渉中から『なるようになるわ』という気持ちでした。『最終的に決まった球団で頑張ればええわ』と。渡米したのもずっと代理人任せだったので、旅行がてら行こうと思っただけです。決裂してからは、完全に観光気分。新聞には『中島はヤンキースタジアムにすら足を運ばなかった』と意味深に書かれましたが、行く用事がなかったから行かへんかっただけ。帰国してからも周囲に気を遣ってもらいましたけど、僕はまったく気にしていませんでした」