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憤怒のレポート/国民に〝年金大減額〟を強いる一方で「国会議員年金」が血税を吸い尽くしている!
消費税増税につながる「社会保障と税の一体改革」への道筋をつけた菅直人前首相の受給額は約455万円
消費税増税には反対の立場の小沢一郎元幹事長。現職議員の中では最も高い532万円以上の受給資格がある
消費税を10%に上げて、年金納付を全額税方式に変えるのが持論の麻生太郎元首相の受給額は約448万円
新憲法制定議員同盟の定例会に出席するなど〝生涯現役〟を貫く中曽根康弘元首相の受給額は742万円

 中曽根康弘742万円、小沢一郎532万円、菅直人455万円、麻生太郎448万円!実は1年間にこんなにも手厚い年金を貰える国会議員がゴロゴロいるのだ。'06年に制度が廃止されたにもかかわらず、こんなデタラメが通っていいのか!

「国民は25年間納めなければ、年金の受給資格を得られませんが、国会議員はたった10年間で高額の議員年金を受け取ることができた。そんな特権が、いまなお国民の税金によって維持されている。国民には年金受給開始年齢の引き上げや、消費税増税を突きつけておきながら、これでは、お手盛り年金と批判されるのも当然です」(経済評論家・荻原博子氏)

 巨額の年金消失が社会問題となっているAIJ事件では、運用資金(掛け金)がなくなれば、予定していた年金受給など吹き飛んでしまうことを改めて思い知らされた。しかしその掛け金=収入がないにもかかわらず、ちゃっかり国民の血税を使って運用されている年金制度があることを知っているだろうか。国会議員年金である。国民をバカにしたその実態をレポートしよう。

「廃止」はまやかし

 国会議員年金は、正式には「国会議員互助年金」という。衆参両院の議員とも、月10万3000円の掛け金が給与(歳費)から天引きされ、10年間納付すれば、引退後、65歳から年金が支給され、生涯にわたり受け取ることができた。過去形で書くのは、民間に比べてあまりに恵まれ過ぎていると批判を浴び、小泉政権時代の'06年に廃止されたからである。

 国民年金(基礎年金)と比べると、掛け金こそ、国民年金の約1万5000円('11年度)の7倍近いが、荻原氏も指摘するように、納付期間が国民年金の25年以上に比べて10年以上と短く、支給額も4~5倍だ。国会議員が10年間で収めた保険料は、支給開始から約4年で回収できる超優遇年金だった。廃止されて当然だが、実は、この廃止は「まやかし」に過ぎない。

 '06年当時、すでに議員年金を受給していたOBたちは、現役時の歳費に応じて4%から10%の減額とはなったものの、引き続き今も年金を貰い続けている。さらに、制度廃止時に在職期間が10年以上あった議員は、従来の15%減となる年金を受け取るか、納付金の8割を一括返還(一時金)で貰うかどちらかを引退時に選ぶことができる。そのため、廃止後も支払いはなくなっていないのだ。

 引退した国会議員を見ると、例えば中曽根康弘元首相(93・在職56年、'03年引退)は年額約742万円、野中広務元自民党幹事長(86・在職19年、'03年引退)は同約486万円を受け取る計算だ。また、制度廃止後に引退した小泉純一郎元首相(70・在職33年、'09年引退)も、約511万円を受け取ることが可能だ(注)。本誌は各氏の事務所に対して受給の有無を問い合わせたが、回答はなかった。立正大学社会福祉学部教授の渡部記安氏が言う。

「日本の国会議員年金は廃止されましたが、今も若干削減した形で支給は続けられています。世界で見てもこういった国はありません。現職議員が払うおカネがOBのために使われる〝互助〟の名称を冠して'58年にできた制度ですが、3年目には早くも赤字になり、公費(税金)が投入されました。そして、制度が廃止された'06年時点では、国会議員年金の支払い総額(年額)24億3967万円のうち、72・7%が公費で賄われていました。それ以降は、掛け金収入がなくなったので、100%公費、つまり国民の税金負担で支払われています。そして、この負担は今後40年以上は続くと見られています」

 国会議員事務局が発表していないので金額は不明だが、議員年金は今も税金によって支払われている。そして、現職議員の中にも引退と同時に受給資格を得る議員がおり、今後もその税金負担は続く---だから廃止は「まやかし」なのだ。

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