[プロ野球]
横浜DeNA・靍岡賢二郎「ハマのツルオカをアピール」

アイランドリーグ出身NPB選手は今 Vol.5

清水、三浦、大家から学んだこと

 それまでテレビで観ていた投手がマスク越しにマウンドに立っている。同じユニホームを着ていながら、靍岡賢二郎はまだその現実が半分信じられないでいた。

 ルーキーイヤーの昨季は2軍の公式戦に捕手で35試合に出場。清水直行、三浦大輔、大家友和ら2軍で調整する一線級の投手をリードする機会にも恵まれた。
「最初は完全に舞い上がってしまって、配球のサインも野手への指示もロクに出せなかったんです。受けるだけで精一杯の状況でした」

 それでもベテランの投手たちは、未熟な捕手のサイン通り投げてくれた。結果は散々だった。
「なんで、あの場面であの球を要求したんだ?」

 ベンチに戻るとすぐに反省会が始まった。1軍で結果を残している投手の観察眼や洞察力には驚かされることばかりだった。捕手が出すサインひとつでチームの勝敗は左右される。責任重大なポジションで失敗を重ねるうちに、秋にはようやくリードで結果を残せるようになった。

「サイン通りに投げてくれて、完封勝ちができたり、先発投手を6、7回まで引っ張れるようになりました。シーズン終盤にはだいぶ自信を持ってマスクをかぶれましたね」

 秋にはクライマックスシリーズや日本シリーズをテレビ観戦して、中日・谷繁元信らの配球を勉強した。その谷繁は捕手の条件として「どんな状況でも対応できる引き出しの多さ」をあげる。昨季、2軍で指導してくれた山下和彦バッテリーコーチからも同様の指摘を繰り返し受けた。
「シゲ(谷繁)が素晴らしいのは引き出しがたくさんあるからだ。オマエはまだ引き出しが足りない」

 そのためには経験はもちろん、投手とのコミュニケーション能力も求められる。「ピッチャーが投げたいのか。それがこちらの意図と一致するようにしていく」のが理想だ。今後は1軍の投手の特徴や性格を把握することも大事になる。