反対派から離党騒ぎまで起きているが、政治家たちの奮起に期待!消費税増税案「今国会、3つのシナリオ」

 3月30日、消費税増税法案が閣議決定され、国会に提出された。いよいよ国会に舞台が移る。小沢グループの一部から政府や党の役職を辞めた人も20人程度でた。木内孝胤(きうちたかたね)衆議院議員(東京9区)のように離党を公言している人もいるので、これに続く離党者もでてくるだろう。口で離党したいといっている人は少なくとも二ケタはいる。

消費税増税法案の国会審議は、国会日程から5月の連休明けになる公算が高い。消費税増税の成立には野党の協力、特に野党第一党の自民党が必要だ。民主党はどこまで自民党の意向を飲むかというのが、消費税増税法案の成否になる。もちろん、民主党内にも反増税はいるし、自民党内にもいる。以下では、それぞれを「野田民主」、「反増税民主」、「谷垣自民」、「反増税自民」としよう。

 私は、これまで本コラムでは「すべき論」を書いてきたが、今回は望ましいと思っていないことが起こりうるという「だろう論」が多い。政治は、個々人には人間ドラマがあるが、全体としてみれば最後は多数決の数になるので、意外と合理的な行動から推測できてシンプルだ。それでも政治にはパッションがあり、不合理もよくあり、その時は予測不能だが、あえて分析をしてみよう。

解散を恐れる「反増税民主」

 まず、現状把握として、野田民主は反増税民主より多く、谷垣自民は反増税自民より多い。

 野田民主は、増税を今国会で通すことを目指している。そのためには、反増税民主を折伏しても数としてダメで、野党、特に自民党を取り込むことを優先する。

 反増税民主は民主党内の事前審査で頑張り、一部修正させたが、あの程度では増税の方向性はびくともしない。前原誠司政調会長が野田佳彦総理の出席を断ったところで、①増税ストップ条件でない名目3%、実質2%の明記、②再増税条項の削除、③設置組織もわからない歳入庁の検討、は野田民主にとって想定内のゆるいものとなった。

これは、今回の増税の根拠とされる麻生政権での附則104条の時の議論に用意した財務省の修正「経済状況の好転を条件」と大差ない。それがワークしなかったからこそ、政権交代しても今回増税を閣議決定、国会提出できたのだ。

しかも、法案は野田民主が作っている。いくら反増税民主が解釈を言っても意味ない。野田民主ははっきりと条件でないと明言しているので、解釈論争をしても反増税民主に勝ち目はない(これを有権解釈という)。

反増税民主は小沢グループと重なっているのは事実だが、そうでない若手も多い。その意味で、すべてを小沢一派と一緒にはできない。もっとも、若手が多いだけに、野田民主の解散カードには弱い。「増税はマニフェストに書いていないのだから増税法案を出す前に国民の信を問え」との正論が出てこず、修正という戦術になっているのも残念だ。総選挙になると増税は公約違反なのでなおさら不利になる。

しかし、解散は野田首相だけに与えられた絶対権限だ。かつて小泉純一郎元首相から「総理の仕事は内閣人事と解散だけ」と聞いたことがある。そのことだけをいつも考えていると言っていた。

客観情勢から、野田首相が解散カードを切る可能性があるので、反増税民主の行動は野田民主に依存せざるえない。あるいは、実際に解散になるのが見えてくると必死に抵抗するだろう。しかし、いずれにしても、国会では野田民主が主導権をとり、おそらく特別委員会が設置されて論議が行われるものの、委員の差し替えなどで反増税民主の出番は少なく、抵抗は成功しないだろう(もちろん、反増税民主には大きく期待している)。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら