消費税増税関連法案「国民新党分裂」「小沢グループ辞任」騒ぎは野田政権の命運をどう変えるのか?
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 消費増税関連法案の閣議決定に強く反対してきた国民新党の亀井静香代表は、同法案の閣議決定・国会提出を翌日に控えた3月29日夜、首相公邸で野田佳彦首相と会談し、連立離脱の意向を伝えた。亀井亜紀子政調会長も同調する。だが、30日時点では、両亀井氏は国民新党離党の意思表明は行っていない。

 一方、下地幹郎幹事長以下、自見庄三郎金融担当相、松下忠洋復興副大臣、森田高総務相政務官、浜田和幸外相政務官、中島正純国対委員長代理の6人は残留を表明した。

 国民新党の事実上の分裂は、下地氏主導のクーデターと言っていいだろう。同氏はこの間、亀井氏が民主党の小沢一郎元代表との連携を視野に入れた「石原新党」結成に前のめりになっていく中、首相官邸と緊密に連絡を取りながら政権残留の可能性を探ってきた。ところが、亀井氏の「連立離脱」の意思が固いと見るや同氏慰留を諦め、党内の多数派工作に転じた。

 下地氏は、国民新党は郵政民営化見直し法案の着地点を見極める義務があるとの大儀名分を打ち出すと同時に、やはり「反小沢」に転じ「与党宣言」を行った新党大地・真民主の鈴木宗男代表とも接触、“亀井切り"を模索していたとされる。

小沢一郎に今後の展望はあるのか

 国民新党の“分裂騒ぎ"と同時並行的に進行していたのが、民主党内の消費増税反対派である小沢氏支持グループの“集団辞任騒動"である。

 小沢氏は29日昼、国会内で開かれた自らのグループの会合で「強引・剛腕と私は言われたが、民主党の党運営は私よりはるかに上回る強引・剛腕のやり方だ」と批判、消費増税関連法案の閣議決定に反対の意向を改めて強調した。この「小沢発言」を受けて小沢氏側近は、政府の政務三役や党役職に就いているメンバーを辞任させる動きに出た。

 小沢氏支持グループは現在、政務三役に副大臣5人と政務官6人、そして党役職では5人を擁している。3月29日時点で辞任が確実なのは、森ゆう子文部科学副大臣、牧義夫厚生労働副大臣、黄川田徹総務副大臣、主浜了総務相政務官、室井邦彦国交相政務官、鈴木克昌幹事長代理、樋高剛総括副幹事長、三宅雪子広報副委員長の8人である。

 この半分を「集団辞任」と表現するのが正しいかどうかはともかく、『読売新聞』(30日付朝刊)が見出しに「小沢G、結束に乱れ―『集団辞任』構想不発で」としたのはいささか公正さに欠ける。確かに、同グループ内でこれ以上の追随者は出ないだろうが、消費増税関連法案の採決時が主戦場として残りは温存しているとの見方もあるのだ。

 それにしても、である。「反消費増税」で野田内閣を倒すと思いつめている小沢氏に今後の展望があるのか。前原誠司政調会長に続いて輿石東幹事長が消費増税関連法案の採決には「党議拘束」をかけると言明したことを、小沢氏は無視できないはずだ。消費増税政局が大波乱となるには、自民、公明党など野党が内閣不信任案を衆院に提出することが絶対条件である。

 同案に賛成票を投じることで造反しなければ野田退陣はあり得ない。ましてや5月の大型連休前後に内閣不信任案が提出・可決されれば、途端の衆院解散・総選挙があり得るのだ。その場合、小沢グループの「チルドレン」の過半が落選の憂き目を見ることになる。小沢氏にとっては“読み"にくい政局展開となる。

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