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この連日の揺れが何を意味するか、ご存知ですか
忍び寄る「震度7」その現実味

 地震には「足音」がある。近づくものが巨大であるほど、その音は大きく響く。3・11前、東北沖にはとてつもない〝怪物〟の気配があった。再び始まった大地の揺れは、いったい何を意味するのか。

「M5級が連発」する意味

 東日本の沖に広がる太平洋で、1年前、海底が南北500km、東西200kmにわたって〝割れた〟。

 解放されたエネルギーはM(マグニチュード)9・0。人知を超えた巨大なエネルギーの余波は、今も日本列島を揺さぶっている。

 気象庁は3月8日、昨年の東日本大震災以降、日本で発生したM5以上の地震が、約600回に達していることを公表した。このうち、M6以上の地震は97回。M7以上の大地震も6回起きたという。

「地震の回数を見ても、まだ収束に向かっているとは言えず、M7以上の余震の可能性も消えていない」(気象庁地震津波監視課)

 不気味なことに、地震は確かに「多い」。微小地震を含めた総数自体は、昨年に比べると徐々に減る傾向にある。ところが最近、M5クラスの中規模地震が再び増加しているのだ。

 たとえば3月14日午後6時ごろ、三陸沖でM6・8とかなりの規模の地震が発生。するとその約2時間後の午後8時前、ほとんど同じ場所で、続けざまにM5・9の地震が起きた。

 さらにその1時間後の午後9時過ぎ。今度は千葉県の東方沖で、M6・1の地震が発生した。この地震は陸地に近かったため、茨城県神栖市付近で震度5強、日立市で震度5と、強い揺れを記録している。この3月14日は、わずか3時間の間に、3回もM6クラスの地震が起きたのである。

 問題は、これだけではない。こうした中規模の地震は徐々に数を増やしながら、なんとその震源が「東京」に向かってゆっくりと近づいてきているのだ。

 筑波大学大学院生命環境科学研究科の八木勇治准教授がこう語る。

「3月14日の千葉東方沖の地震は、千葉県沖の〝浅い〟場所で起きました。実はこのタイプの地震は、これまで主に、東日本大震災の震源域である福島県沖などで発生していたのです。ところが、今やその範囲がだんだんと広がり、関東地方の浅い場所でも地震が起きはじめました。

 このタイプの地震は、都市から離れていない海岸線近くが震源になる。基本的にはM6以上の地震が想定できますが、もしそれがM7クラスの地震になり、しかも大都市近くで起きるとすれば、大きな被害が予想されます」

 次ページの図を参照してほしい。これは最近の約1ヵ月間に東日本で起きたM3以上の地震をマッピングし、さらにその上に、M5以上の地震の震源を重ねて表示したものだ。

 昨年から引き続き、東日本大震災の震源域では無数の地震が起きていることがよく分かる。ただ、気になるのはM5以上の地震である。M5地震の発生ポイントが、どんどん関東地方に偏ってきているのだ。

 2月29日、千葉県東方沖でM5・8。3月1日には茨城県沖でM5・4。翌2日には再び千葉県東方沖でM5・1、そして3月14日と15日に、隣接した場所でM6・1、M5・0。さらに16日には、内陸の埼玉県南部でM5・2の地震が起きている・・・・・・。

 実は昨年の東日本大震災の前にも、宮城県沖を中心とした東北地方太平洋岸の地域では、こうした中規模地震が群発していた。3・11の約1ヵ月前から、本震の震源地付近で、M5クラスの地震が続いていたことが明らかになっている。

 大震災により、広大な震源域の北(青森沖)と南(千葉・茨城沖)に、「岩盤が割れ残った場所」が現れた。M9のエネルギーを受け止め割れ残った場所には、強いストレスが生じて次の大地震が起きやすい。

 これまで専門家の一部はそう警告を発してきたが、今起きている状況は、まさにその警告が現実になるかもしれないことを示唆している。

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