雑誌
なめるな東電!「川口市の中小企業が(電気代)不払い運動」
いきなり届いた年360万円の値上がり通知書に
商工会議所会頭が激怒、県もNOを突きつけた
児玉社長は今年で創業94年となる児玉鋳物を経営して38年。正社員14名と中国人実習生8名の小さな会社だ〔PHOTO〕蓮尾真司

 吉永小百合主演の映画『キューポラのある街』の舞台で、鋳物の街として知られる埼玉県川口市。当地の鋳造業「児玉鋳物」の4代目社長・児玉洋介氏(68)は、東京電力から届いた1枚の紙を手にしながら、怒りを露にした。

「年間361万7000円もの出費ですよ。町工場は、中国との価格競争もあり厳しい状況の中、リーマンショック以降様々な経営努力をして、何とか持ち直したんです。東電の実施するリストラ策は、ハッキリ言って甘い。給与をカットしても、同じ規模の会社の平均給与よりも2割も高いし、渋谷や内幸町といった都心の一等地に、大きなビルを持ったままじゃないですか。それなのに、従来の電気料金での契約期間が残っている企業に対しても、特別に申し出なければ4月から値上げを適用しようとしているんです」

児玉鋳物は、住友軽金属や小松製作所など日本の製造業を代表する企業に、合金鋳鉄などを納入している

 東電管内での平均17%にも及ぶ企業向け電気料金の値上げが、4月1日から実施される。政府や各自治体は、1月17日の値上げ発表時から猛反発し、東電の体質改善がなされていないと批判している。

 電力市場の自由化の流れの中で、'05年に特定規模電気事業者が50kW以上の電力を使う法人に対し、電力を売ることが許可された。それに伴い、東電がそれら法人に対し独自で電気料金を設定できることになった。今回はそれを適用した料金改訂であるため、東電は問題はないとして値上げを強行するのだ。