増税路線に郵政民営化逆行ーー公約を投げ捨て官僚主導に走り出した民主党と自民党にまかせていては日本経済は潰されてしまう

 消費税増税法案は先週から引き続き民主党の社会保障と税の一体改革に関する合同会議でもまれている。3月30日(金)までに国会提出すれば、一応野田総理の言ったことは守られるから、そこまで引き延ばされると考えるのが自然だ。

これまで、「増税は経済好転が条件」「歳入庁の創設」「低所得者対策として給付付き税額控除」などの修正が民主党執行部から出されてきた。歳入庁や給付付き税額控除は一定の評価ができるかもしれないが、附則に書くところを本則に引き上げたというものの、まだ附則に書くレベルの内容で方向性だけの話であるということだ。歳入庁は財務省でないところに設置すべきであるが、そのあたりははっきりとはせず、消費税増税の根幹を変えない微修正だ。

いずれにしても、野田総理はまだ合同会議に出席していない。昨年12月29日、民主党が消費増税を了承した際には、総理が自ら出席し、反対派に理解を求めて決着にこぎ着けた。それなのに、今回は出席しないというのでは話がまとまらないはずだ。今週のどこかで野田総理が出席して、そこで増税反対派はとりあえず撃ち方止めになるだろう。

「言うだけ番長」の反対は逆のサイン

今週、さらに修正案が出されるはずだが、その内容がポイントで、増税の条件に数値目標を入れるかどうかだ。増税反対派は、「名目3%、実質2%」の成長でなければ消費税増税の施行を延期する条件を求めている。これに対して、その条件が厳しすぎると執行部は抵抗している。

先週の本コラムでも書いたが、こんな条件は普通の国なら楽々クリアできる。名目3%は世界の98%の国でクリアしている「低すぎる条件」だ。

前原誠司政調会長は、昨日日曜日のNHKテレビ討論で「数字を引き上げの条件とすることは絶対にだめ」と述べ、数値目標に反対だ。前原政調会長は「いうだけ番長」とかいわれているが、民主党内でそうした役回りなのだろう。逆に、前原政調会長が数値目標に反対というのは、数値目標設定で何らかの譲歩があるとみてもいいかもしれない。

実は、数値目標を書いた法律は少なくない。私が知っているものだけでも、財政構造改革の推進に関する特別措置法における財政再建目標、中央省庁等改革基本法における行政組織数、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律における特会埋蔵金搾出し金額、政策金融規模スリム額、総人件費カット額、公務員数カット率、国の資産圧縮率などだ。

特に、財政構造改革の推進に関する特別措置法は、1997年11月に制定されたが、弾力条項がなく景気情勢に対応できないといわれ、翌98年に財政再建を一時停止を可能とする「弾力条項」を盛り込んだ。その弾力条項も政令で数値基準を定めている。

政令で定められたものは、(1)直近の二四半期連続で実質GDP成長率、前期比年率が1%未満の場合、あるいは(2)直近の一四半期の実質GDP成長率が1%未満であり、かつ当該四半期後の消費、設備投資、雇用の指標が著しく低調な場合のいずれかである。

こうした前例から考えると、数値基準を法律ではなく政令で定めること、例えば、その数値は「名目2%、実質1%」とするのが想定できる。これはあくまで私の空想の世界だし、政令委任は官僚主導の典型で決して望ましいと思っていないが、ありうる可能性を示しているだけだ。もちろん官僚もこの程度のことは考えているはずだ。

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