雑誌
神戸市役所が困惑「半年経ったのに・・・」吉本興業さん、震災復興募金のカネはどこへ?

再三、催促しているのに

「決められたルールはきちんと守っていただきたい。吉本興業さんにはそう言いたいですね」

 そう語るのは神戸市役所のある職員。いったい、何が起こったのか。発端は半年前までさかのぼる。

 昨年9月17日~19日、「よしもとワンダーキャンプ関西」というイベントが関西各地で大々的に行われた。吉本興業のHPではこう説明している。

〈〝みんなを、笑いでつなごう。〟をテーマに、在阪民放5局と吉本興業がタッグを組み、京都・大阪・神戸という広範囲で繰り広げられる東日本大震災の被災地へのエールを込めた大規模イベントです〉

〈各会場には募金箱を設置、芸人による募金活動を行い、被災地を応援します〉

〈会場・メディアを通じて日本中に笑顔と元気をお届けします〉

 得意の笑いを届けながら募金活動もやるという、大変結構な趣旨のイベントだったのである。

 募金には特に力を入れていて、「ラフ(笑い)&ピース隊」通称ラフピー隊なるものを結成、17日に大阪で4ヵ所、18日に京都で2ヵ所、最終19日は神戸で3ヵ所に「ラフピー隊募金基地」を結成し、芸人と有志の一般人が一体となって募金を集めた。

 問題は最終日の神戸、市役所の隣にある東遊園地という公園を舞台に起きた。そこは3ヵ所ある募金基地の一つだった。前出の市役所職員が語る。

「神戸市役所の南に隣接する東遊園地の一角で、9月19日に募金活動を行いたいと、吉本興業から事前に申請がありました。当日を含めた4日間のチャリティイベントの一環だときいていました(実際は3日間)。

 本来、神戸市が管理する公共用地などで募金活動を行うことは、公共団体や公益団体を除いて禁止しています。しかし、東日本大震災が発生して以来、個人や一般企業、団体などから『募金活動を通じて被災者を支援したい』『公共用地でも募金ができるようにしてほしい』との要望が多数、寄せられました。

 周知の通り、神戸市は阪神大震災の被災地であり、これまでに全国から多大なご支援をいただいてきました。ですからこの際、恩返しの意味も込め、東日本大震災の被災者支援を目的とした募金活動に限って、公共用地の使用を認めることになりました」

 役所にしては珍しい「特例措置」。しかも、本来なら1m2あたり150円徴収する場所代も無料にすることを決めた。ただ、公共用地である以上、怪しい団体に利用されてはいけないと二つの条件をつけた。

(1)募金活動を行った証明の写真を提出すること
(2)募金で集めた金額と寄付した先を、振り込み伝票とともに報告すること

 真っ当な募金活動であれば、造作もなくクリアできることだ。

 神戸市役所は吉本興業に対しても、この条件をつけて東遊園地の使用を許可した。相手はあの有名な吉本興業。よもや間違いはあるまいというのが、役所の担当者の感覚だった。

 ところが、である。吉本興業からの報告が、待てど暮らせど届かないというのだ(3月13日時点)。

「報告については、特に期限を設定していたわけではありません。ただ、事後すみやかにお願いしたいとは伝えていた。

 それが、1ヵ月経っても梨のつぶて。仕方なく、昨年の10月ごろから、吉本さんに催促の電話を入れるようになりました。

 連絡すると、『経理が遅れている』とおっしゃる。その後も再三、連絡を入れていますが、今日に至るまでいまだに報告がない。募金活動からもう半年も経ったのに・・・・・・。

 経理など会社の事情もあるのでしょうが、すみやかに出していただきたい。これほど遅れている例は、他にはもちろんありません」(前出の職員)

 市役所が苛立ちを隠さないのにも理由がある。彼らは未処理案件を4月からの新年度に持ち越したくないのだ。職員が続ける。

「催促の電話は、数えてはいませんが7~8回はしたと思います。昨年末にご連絡した時は、『遅くとも1月末までには(報告書を)出します』とお返事をいただいたのですが、その約束も守られなかった。

 このまま報告書が提出されない場合、本来、徴収すべき公園使用料を、吉本さんに請求することも検討せざるをえません。市としては善意で決めた特例ですので、本当はおカネなどもらいたくはないのです。ですから吉本さんには、ルールに則って、一刻も早く報告をしてほしい」

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら