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日本経済の流れが変わった この「円安」「株高」をどう読み切るか
いつまで? どこまで?90円超えは?
株価1万2000円は?---プロはこう考えている

 つい最近までは70円台が当たり前だったのに、いまは連日の80円台。日経平均もコンスタントに1万円台が出る。このままいってほしいが、逆戻りの恐怖もある。今回は本物か。プロが読み切る。

本格相場はこれから始まる

〈私は2011年の終わり頃言っていた米ドル/円相場が100円にまで戻りそうだという水準が(中略)2012年中に実現するかもしれないと思えてきました。当時考えられていたほどには、現実離れした話ではないように思えます〉

 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)という造語の生みの親であり、世界中のマーケット関係者がその発言に注目するゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント会長のジム・オニール氏。そんな経済のプロ中のプロが、今年3月に発表したレポート内に、こんな衝撃的な一文が書かれた---。

 悪夢から目覚められる日が、ついに来たのか。

 日本を代表する企業が大赤字を垂れ流し、エルピーダメモリの破綻劇まで発生。中高年は資産運用で買った株や投資信託が次々に暴落して、〝虎の子〟を大きく失った。長く日本人を苦しめてきた円高・株安。その相場トレンドに、〝巨大異変〟が起き始めた。

 昨年まで70円台が当たり前だった円・ドル相場が急転して、今年の2月に入ってからたった1ヵ月半で83円ほどの円安まで一気に下降。日経平均も追うように急カーブを描いて昇っていき、3月に入るとついに1万円を突破する株高をつけたのだ。

 いったい、何が起きているのか。

 フィスコリサーチ部アナリストの小川佳紀氏は、「相場心理が百八十度変わった」と言い切る。

「もとをたどれば昨年12月末にECB(欧州中央銀行)が行った4890億ユーロの金融緩和が始まりです。続けてECBは今年2月にも、5295億ユーロの資金供給を実施したことで、欧州債務危機問題が一段落したとの空気が流れた。

 これでマーケットがそれまでのリスク・オフ(リスクを避ける状態)から一転してリスク・オン(リスクをとる状態)になり、欧州の投資家が中心となって米国や日本の株式市場で買いに走って、急激な株高を演出したのです」

 FXプライムチーフストラテジストの高野やすのり氏も、「外国人投資家が『日本経済の流れが完全に変わった』と見るようになった」と語る。

「今年1月に、日本の経常収支が'85年に統計が開始されて以来最大の赤字になったことが大きい。日本人はこれを一過性のものだと考えたが、外国人投資家は『日本経済の流れが完全に変わった』と見たんです。

 さらに2月14日に日銀が・サプライズ金融緩和・とインフレ目処の設定を行ったことで、外国人投資家が『日銀がついに本気になった』と捉え、いっせいにドルを買って、円を売る動きに転じました」

 円安になれば輸出企業を中心に日本企業の業績も回復し、さらなる株高が期待できる。マーケットの〝好転〟から、証券会社で新規の口座開設を申し込む日本人投資家も増えてきた。

 欧州の国債危機を報じるニュースが毎日のようにメディアで流れ、米国の経済指標も〝予想以下〟の発表が連発。日本も電力不足リスクを抱える中で、いずれの先進国も「危なくて買えない」という市場停滞ムードが蔓延していた昨年とは、ガラリとムードが変わったことは間違いない。

 さらに---。

「株高の本格相場が始まるのはこれからです。現在の日経平均は場中で1万円を超えても、引けで再び1万円を割る相場になることが多い。その原因は公的年金の売り。リーマン・ショック後に大量に買い越していた彼らが、1万円に近づくと利益確定の売りを出すから、大相場とはいかない状態が続いている。ただ、そろそろこの売りが落ち着く。

 さらに4月後半からゴールデンウィーク明けにかけて発表される2012年度決算予想で、円安効果で業績が急回復して、いい数字を出す日本企業が続出する可能性がある。その直前頃から好決算を見越してさらなる外国人の買いが殺到し、日本人も『ここで買わないと乗り遅れる』と追随することで、株式市場は本格相場に突入。日経平均は1万1500円ほどまで急上昇するでしょう」(マネーリサーチ代表の山本伸氏)

 そうなれば円安で収益が改善、株高で資金の余裕ができた企業が設備投資などを活性化させる。さらに株式市場の活況で新規上場するベンチャー企業も多数出てくる。そうして好循環が回っていけば、日本経済「復活」の明るい未来も見えてくる。

 とはいえ、日本人はここ何年もずっと円高・株安に悩まされてきたのだから、急に事態が好転するといわれても〝ぬか喜び〟はできない。再び悪夢の円高・株安に落ちることはないのか。

 そこで今回、経済のプロ13名に「3ヵ月後」「年末」に円相場、日経平均がどうなっているかを予測してもらった(その結果をまとめたのが、35ページの表)。

 まず「3ヵ月後」を見ると、日経平均が1万円を超えると予測した人が半数以上、円相場も80円を割らないと見る予測が多数となった。当面は円安・株高が続くと見てよさそうだ。

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