二軍落ち濃厚と伝えられる状況でも、表情に翳りはなかった雄星。髪の毛もずいぶん伸びてきた(2月28日)。

2月28日の昼、最高気温18度と汗ばむほどの陽気となったサンマリンスタジアム宮崎。この日、組まれていた巨人と西武によるオープン戦の試合前、菊池雄星(18=登録名「雄星」・花巻東高)の姿は外野の片隅にあった。
初めて経験するプロの春季キャンプを3日前の25日に打ち上げた雄星。
チームにもだいぶ溶け込めたらしく、ゴムやバランスボールを使った柔軟体操、ストレッチなどをこなしながら、にこやかに先輩たちと会話を交わす様子が見て取れた。
そして、たまたま記者の横にいた女子中学生たちが「雄星ク~ン!」と黄色い声援を上げると、照れくさそうにしつつも彼女たちに向かって爽やかな笑顔。
こんな肩の力を抜いた自然体の姿を見るにつけ、この日をもって二軍落ちしたショックは尾を引かずに済みそう、と判断できた―。
最速155km左腕の雄星が、春季キャンプで早くも"プロの壁"にブチ当たった。それが如実に表れたのは2月23日、初めてフリー打撃に登板した際のこと。打者2人に対して全力で55球を投じたものの半数近くの23球が明らかなボール球で、偵察に訪れた4球団のスコアラーからは全員一致で「開幕一軍はありえない」と厳しい評価を喰らってしまった。
「渡辺(久信)監督や潮崎(哲也)一軍投手コーチは、キャンプ中盤には雄星の二軍落ちを決めていた模様です。いわく『プロとして通用する身体が、まだまだできていない』と。また、潮崎コーチは『エースの涌井秀章を10とすると、雄星はどのレベル?』と記者に問われ、『5だね。潜在能力が高いのは確かだが、今の段階では開幕一軍はない』と断言していたそうです」(スポーツ紙デスク)
結局、西武首脳陣は2月28日に雄星の二軍落ちを決断したのだが、日本球界きっての超逸材がつまずいたのは、いったいなぜなのか? ’99年には一軍バッテリーコーチとして新人時代の松坂大輔(29=現レッドソックス)を指導した経験を持つ、西武の大石友好バッテリーチーフコーチ(56)はこう語る。
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