サッカー
二宮寿朗「関塚ジャパン、問われるOAの“使い方”」

 U-23日本代表が五輪最終予選最終戦のバーレーン戦に勝利し、ロンドン行きを決めた。4戦目のシリア戦(アウェー)で敗れて一時はC組2位に後退したものの、残り2試合をきっちりと勝って首位に返り咲き、“切符”を手にした。

 本大会まで残り4カ月。今後は、オーバーエイジ(OA)枠についての議論が巻き起こってくる。

「経験」か「結果」か

「(どう使うかは)これから考えます」

 関塚隆監督はバーレーン戦後の記者会見でOAに対する見解を求められると、こう一言だけ返した。指揮官に本大会のことまで考える余裕はなかっただろうし、まだ白紙に近い状態だと言える。4月24日に本大会の組み合わせが決まるため、対戦相手が決まったうえで判断していくということになるのだろうか。

 しかしながら、関塚監督を含めた協会側の姿勢としてOAに対する指針をなるべく早い段階で示したほうがいい。
「誰を呼ぶか」ではなく、「どう使うか」を、だ。

 まず五輪本大会をどのように位置づけるか。

 U-23世代の経験値を重視させるというなら「OA不要論」も出てくる。しかし、あくまでもメダルを奪いに行くというならOAは切り離せなくなる。その場合、本大会でどういうサッカーをしたいかが重要となる。そこがはっきりすれば、OA枠の基準も明確になってくる。

 たとえば関塚監督はA代表のコーチも兼任しており、ザックジャパンの流れをくんで勝負しようというならばOA枠の対象は自然と現在のA代表メンバーに限定されてくる。清武弘嗣(C大阪)を筆頭に酒井宏樹(柏)、原口元気(浦和)、権田修一(FC東京)らはA代表にも招集されており、A代表の主力を呼んで融合を深めて勝負に出ることはひとつの策である。結果最優先ではあるにしても、「線」としてA代表の強化につながっていく効果もある。また、志向するサッカーの共通した基準があればどのポジションに、どの選手を補強すべきかも見えてくる。

 ただ、一方で関塚監督が「こういうスタイルで世界に臨みたい」と自ら描く“対世界”のスタイルを具現化したいという意向ならば、ザックジャパンに招集されていない実力者まで対象にするほうが、より選択肢も増えてくるという考え方もある。

 ここの共通意識を関塚監督、協会が協議してしっかり共有したうえで「誰を呼ぶか」「(3人招集できるOAを)何枠使うか」などに話を移行してもらいたいものである。A代表を率いるアルベルト・ザッケローニ監督に意見を求めてもいいだろう。ただ、何よりも“関塚任せ”にすることなく、協会がイニシアチブをとることが肝要だ。