馬淵澄夫レポート

あらためて言う。消費増税法案に経済成長の数値を明記した「弾力条項」が必要なこれだけの理由

2012年03月20日(火) 馬淵 澄夫
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〔PHOTO〕gettyimages

 消費増税法案の党内事前審査議論は、弾力条項として数値目標を明記させるか否か、そしてさらなる増税規定を削除するか否か、この二点に集約されてきた。前者は附則の18条、後者は同28条の規定である。

 5年後のさらなる増税を規定する28条は、法案当局としては削除される可能性を十分考慮したうえでノリシロとして書き加えられた条文だと考えるべきだろう。議論の中で到底受け入れられない条文を忍ばせて、その取り下げを条件に絶対に譲れないポイントを守るという戦術が見て取れる。もちろん、譲れないのは附則18条の弾力条項における数値目標の設定だろう。

 なぜそこまで数値目標の設定を拒むのか、理由は三つほど会議でも挙げられていた。一つは、経済は生き物であり多様な結果が想定され、政府の政策判断を縛るような目標設定はすべきものではないというものだ。

 しかし、そもそも消費増税年度内措置の根拠とされている麻生政権時代の法案附則104条にも前提条件として経済状況の好転は示されている。経済状況が政府に影響を与える、「政府を縛る」のは当然のことである。それを議論するのは観念論としか言いようがない。

 二つ目は、数値目標の達成は困難である、との意見だ。名目3%、実質2%、特に実質はせいぜい0.7%がやっとなのに不可能な数字だとの意見だ。しかし、後述するが、この意見は現状分析をしっかりと行っていないのではないかと言わざるを得ない。

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