シリーズ 2020年の世界から見た2012年の日本4
~「ガラパゴス化」する日本の大学~

図表1

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文:吉川尚宏

大学間の熾烈な国際間競争

 世界にはさまざまな大学のランキングがある。その中の代表的なランキングである、QS World University Rankingsの過去5年間における東京大学のランキングの推移は2007年17位、2008年19位、2009年22位、2010年24位、2011年25位と年々、順位を落としている。

 2011年のランキング上位20位までをみると、米国の大学は13校、英国の大学は5校もランクインしており、圧倒的な国際競争力を誇っている(図表1)。他方で、上位100位内に入っている日本の大学は東京大学を含めて6校しかない(京都大学32位、大阪大学45位、東京工業大学57位、東北大学70位、名古屋大学80位)。

 このランキングのデータを過去数年分にわたって分析すると、次のようなことがわかってくる。

・圧倒的に英語圏の大学が上位にランクされている。上位20位内にランクされる非英語圏の大学はスイス連邦工科大学のみであり、上位30位までに広げてみても、東京大学が加わるぐらいである。

・上位10位ぐらいまでは多少の順位の変動はあるものの、過去数年間、顔ぶれはほとんど変わっていない。しかし、20位以下になると順位の変動は激しく、年によってランク外に去ったりすることもある。

 さる2012年1月20日に、東京大学の「入学時期の在り方に関する懇談会」は入学時期を秋へと移行するとする中間とりまとめを発表し、その後、他の国立大学や私立大学も追随の動きを見せている。

 筆者はかねてより、日本の大学が入学時期、入学基準、カリキュラム、公用語等の面で世界の標準から乖離していく「ガラパゴス化」を懸念していたが、いよいよ「ガラパゴス化」による大学の国際競争力の低下が深刻な事態となってきた。東京大学は確かに非英語圏の大学の中では健闘している。しかし、今後、今の順位を維持することはかなり難しいであろう。果たして東京大学の秋入学は脱「ガラパゴス化」の切り札になるのであろうか。

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