消費税を社会保障目的税とする財務省と民主党は「世界の非常識」。名目3%、実質2%の「弾力条項」で財務省・日銀の尻を叩け!


 消費税増税法案の民主党事前審査が先週から続いている。消費税そもそも論を理解していないので議論が紛糾する。

 まず消費税の基本を確認しておこう。消費税は地方または国と地方の一般財源という国が一般的だ。税率について、財務省はヨーロッパ諸国の消費税率(15~25%程度)を強調するが、ヨーロッパ諸国は日本でいえば一地域の経済規模・人口だ。日本でいえば、地域が道州制になってそれぞれの地域で独自に消費税率を決めていると考えればいい。カナダは、州によって12~15%となっている。

 社会保障の観点から見ると、その財源は社会保険方式なので保険料が基本である。税方式は少なく、しかも社会保険料方式から税方式に移行した国を筆者は知らない。

最近では、社会保障と税の統合ということで、フリードマンの提唱した「負の所得税」の実務版である「給付付税額控除」が世界各国で行われている。ここでの税とは所得税であり、社会保障の役割である所得再分配を所得税と一体で行おうとしている。米国、カナダ、英国、フランス、アイルランド、ベルギー、ニュージーランドなどだ。

財務省・小沢一郎の間で生まれた「社会保障としての消費税」

こうした税理論と社会保障論から、財務省や民主党のいう消費税を社会保障目的税にするのはおかしいことがわかる。なぜ、日本で消費税の社会保障目的税がいわれるかといえば、1999年の自自公連立時に、財務省が当時の小沢一郎自由党党首に話を持ちかけて、「消費税を上げるために社会保障に使うと書いてください」と要請して政治上の取引で了解されたものだからだ。そうした政治的な経緯があるので法律ではなく予算総則に書いてある。なお、平成12年度の税制改正に関する答申(政府税制調査会)の中で、「諸外国においても消費税等を目的税としている例は見当たらない」との記述がある。

政権交代した民主党は、過去のしがらみなしで社会保障と消費税を考えられたはずだ。もし、まともに考えれば、地域主権から消費税は地方に税源移譲する。同時に、社会保障は、とりあえず給付付税額控除の方向で考え、そのための社会インフラとして「歳入庁」(所得税・法人税などと社会保険料を一体として徴収する機関、日本でいえば国税庁と年金機構徴収部門の統合)を創設する。そして、持続的な社会保障のために、所得・法人税と保険料のベストミックスを考えることになる。その際、年金の世代間不公平や各種社会保障の縦割りも議論される。
 

 民主党はこうした大きな方向性なしで議論し、制度論として必ずしも優れていない自公時代のものをコピーしただけだったので、「社会保障と税の一体改革」とは名ばかりの「消費税増税大綱」になっている。民主党がどんなに説明しても、今回の消費税増税は政権交代して歳出が膨らんだのを穴埋めしているだけだ(2011年12月26日付け本コラム参照。先日、某国会議員はそのコラムを参考にして質問したといっていた)。

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