学校・教育
米大学への編入という選択――
名門ブラウン大学での幸せで刺激的な体験例

 今回はアメリカの学部への編入という選択肢について、興味深い事例を紹介したい。慶応大学からアメリカの名門アイビー・リーグのブラウン大学に編入した熊平智伸さんのケースだ。帰国子女でもない熊平さんのアメリカの学部への編入は多くの日本人大学生を勇気づけるのではないかと思うからだ。アメリカの学部入学にこんな道もあるのだ。

 ブラウン大学は1764年に設置された米国で11番目に古い大学。風光明媚な高級住宅地ロードアイランド州プロビデンス市にある。難関校が並ぶアイビー・リーグの一角を占める。福沢諭吉はブラウン大学で、西洋式の高等教育に触れて感銘を受け、『学問のすゝめ』を書き、1868年慶應義塾設立に至ったとされる。

 USニューズによる大学ランキングでは全米15位。しかし、"学生の満足度"はエールやハーバードを抑えて、全米1位といわれる。そのため大学ランキングでブラウンより上位に位置する大学を蹴って進学してくる学生も多い。

 著名人では、ジョン・フィッツジェラルド・ケネディ・ジュニアがハーバード大学を蹴り、米TVドラマ「ヒーローズ」で有名になったマシ・オカがハーバード大学とマサチューセッツ工科大学を蹴り、ハリーポッターシリーズでトップ女優に躍り出たエマ・ワトソンがイェール大学・コロンビア大学・ケンブリッジ大学の3つを蹴って、ブラウン大学を選んでいる。

 そのため、毎年受験倍率が12倍以上にも達する最難関大学である。大学の公式情報によれば、2009年度の入学志願者数は設立以来過去最高を記録し、その倍率は17倍以上に達した。つまり合格率は6%以下である。合格者の約半分である47%(2009年入学組)は、高校で首席か次席であったという。

ノーベル賞受賞者からの直接指導も

 また、ブラウン大学卒業生が志願した場合、全米ロー・スクールトップ3に合格できる確率は92~95%。ビジネス・スクールではその合格率が100%近くに達する。メディカル・スクールへの合格率は、全米で五本の指に入る。

 全米で学生がもっとも幸せな大学といわれるブラウン。その最大の理由は学生が自由に科目を選択して自分の学問を追求できることである。この「オープン=カリキュラム」を支えるのが、Pass or Failという成績評価制度。

 一言でいえば、成績がA、B、C、Dなどではなく「可」か「不可」の二つになるということだ。アメリカの大学生が最も敏感になっているのは成績。優秀な成績(高いGPA)で卒業しなければ、就活や大学院への進学にも大きく影響するからだ。