逆風ふきすさぶ民主党を覆う「解散恐怖症」

 衆院解散・総選挙を何とか避けたいという思いが民主党を覆っている。消費増税にこれほど反対が強いのは支持者の反発が強いだけでなく、増税法案の処理が解散・総選挙に行き着きかねないという不安があるからだ。衆院の定数が違憲・違法状態に陥っているのに解消できないのは解散・総選挙をしにくい状態にしておきたいからだ。

「衆院を解散するのはみんな嫌ですよ」。

 消費増税に強く反対している元代表・小沢一郎の周辺からでさえ、こんな声が漏れる。2009年8月末の総選挙で圧倒的な有権者の支持を得て政権を獲得した民主党はいまや、民意の反撃を恐れ、きゅうきゅうとした日々を送っている。

驚愕の落選予想データ

 民主党議員がこうも総選挙を恐れるのは、昨年12月16日に当選1回の衆院議員らを対象に実施した党独自の世論調査があまりに悲惨だったからだ。比例代表復活を含め、小選挙区で当選した議員と新人候補計106人を対象に実施したこの調査で、当選する可能性がある議員は30人台にとどまった。

 彼らの選挙区は(1)自民党の候補者が決まっていない(2)自民党候補が決まっていても、落選したベテランの自民党元議員も立候補し保守分裂になっている(3)みんなの党の候補が立っている――ところが多い。言わば、選挙区事情に助けられているところで、自力で当選しそうな選挙区はほとんどなかった。

 しかも、調査時期は民主党議員が「あれを機に、民主党に対する不満がコップからあふれ出した」と嘆く八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設継続決定(昨年12月22日)よりも前の時点だ。09年9月16日の民主党政権発足当日に打ち出された八ツ場ダム建設中止は政権交代のシンボルだったのだが、民主党政権の首脳陣はあまりに軽視していた。

 この調査データは年が明けて1月中旬から、一人ひとりの議員・候補に手渡された。議員らはこのデータを見てがく然とした。無党派層の支持が大きく落ち込んでいたからだ。民主党は当選2回以上の議員についても調査を実施する計画で、「解散恐怖症」はもっと広がるに違いない。

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