歳川隆雄「ニュースの深層」
カテゴリーアイコン

米国テキサスの「自走式巨大クレーン」を借りなければ福島第一3号機の危機を回避できない

アメリカとフランスの力がなければ解決はできない

2011年04月30日(土) 歳川 隆雄
upperline
東京電力福島第一原子力発電所〔PHOTO〕gettyimages

 菅直人政権は日々、東日本大震災で被災した東京電力福島第一原子力発電所への対応に汲々としている。

 マスコミ各社の報道によれば、同所の4基の原発中、原子炉から放射性物質に汚染された水が大量に漏出している1号機と、使用済み核燃料棒の貯蔵プールで火災が発生・漏水していると見られる4号機(原子炉格納容器の底が抜けているという説もある)が最も深刻な状況にあるとされる。

 だが、筆者が得ている首相官邸筋からの情報によれば、実は3号機がほぼ完全に崩落していて制御不能状態にあり、最も「深刻」かつ「危険」な事態に直面しているという。

 では、いったいどのような状況にあるのか。東電サイドが公表した3号機の上空と側面の写真からも建屋の天井が吹き飛び、外壁の殆どが崩落していることが見て取れる。が、実態は公表写真をはるかに超えたダメージを受けているのだ。

落下した天井クレーンが燃料棒を破損

 先ず、水素爆発によって建屋を支える横幅1メートルもある鉄骨数本と直径80センチの耐震補強柱が何十本もグニャグニャに曲がってしまい、重さ10トンの天井クレーンは崩落し、核燃料棒を取り出すスタッドテンショナーも瓦解している。例えて言えば、北朝鮮が保有するスカッドミサイルに直撃され、完全に破壊し尽くされた状態である。なぜ、3号機が深刻であり、危険なのか。

 本コラム(3月25日号)で言及したように、3号機では昨年10月からプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を装荷・稼動している。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを混ぜたMOX燃料を炉内に入れて発電するプルサーマルを3号機のみが実施していたのである。

 地震と津波に被災された3号機の格納容器が破損、そこから放射線に汚染された水蒸気が漏れ、何らかの理由から爆発を誘導した。

次ページ  そして問題なのは、漏出した放…
1 2 3 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事


underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ
編集部お薦め記事