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独占スクープ 年金資産2000億円を食いつぶしたAIJ幹部が全部白状する!

 社長から来た一枚のファックス/ひと月で22・5%のマイナス/運用実績の数字は社長のさじ加減/開始3ヵ月で大損失/「社長を殴ってやる」と息巻く社員/誰も触れられないブラックボックス/浅川社長と女帝/社保庁OBとの深い関係ほか

 密室で、なにやらコソコソやっている---巨額の損失を出したAIJ投資顧問グループ幹部は、浅川社長らの行動に不審を抱いていた。10年にわたって続けられた「粉飾」の真相を、幹部が明かす。

いくら残っているか分からない

 2月24日の早朝、自宅に届いたばかりの日経新聞を見て、初めてそのニュースを知りました。1面トップで「AIJ投資顧問が、運用資金約2000億円の大半を消失させた」と大きく報じられていたのです。

 いったい、どういうことなのか---。しばらく呆然としていると、会社から電話があり、「8時までに会社に来るように」と指示されました。報道を受けて、顧客の皆様などに対応する必要があるということだったのでしょう。慌てて出社してみると、集まった社員は皆、困惑の表情を浮かべるばかりで、私を含め、誰も今起きている事態を正確に把握している者はいない様子でした。

 肝心の経営陣からは、浅川和彦社長と弁護士の連名で「金融庁から業務停止命令が出ました。今後の連絡は弁護士を通してください」という内容のファックスが一枚送られてきただけ。それ以上詳しいことは誰にもわかりませんでした。

 その後ようやく、上司から「まず、顧客への対応をきちんとしてくれ」と指示がありましたが、私たち営業部隊ができることは、お詫びをすることくらいです。すぐに手分けをして、その日からAIJの顧客となっている全国の年金基金の担当者に連絡をとり、直接謝罪に出向く毎日が始まりました。

 とはいえ、経営陣から具体的な情報が全く入らないため、顧客に会っても「今、金融庁で検査しています」と繰り返すほかない。当然お客様からは、「2000億円ものお金をどこにやったのか」「私たちのお金は戻ってくるのか」「ずっと騙していたんだな」といった厳しいお叱りを受けました。これだけの損を出したと報じられているのですから、それも当然でしょう。

 実は、そうした混乱の中でも、優しい言葉をかけてくれるお客様もわずかですがいらっしゃいました。

 例えば、私が担当していたある地域の年金基金の担当者は、当初こそ激高されていましたが、別れ際になると、

「俺たちだって、今回の件はお前たち現場の責任じゃないことはわかっているんだ」

 そう言ってくれました。お恥ずかしいことに、その言葉を聞いたとたん、私はその場に泣き崩れてしまいました。

 こうしたお詫び行脚は、問題の発覚から2週間以上たった今も続いていますが、やはりお客様から尋ねられるのは、「運用の実態はどうなっていたのか」ということです。

 本来であれば、私たちがお預かりしていた2000億円のうち、今はいくら残っていて、どれだけなくなったのか、きちんと説明すべきでしょう。

 しかし情けないことに、私たち営業マンが知らされていたのは投資の概要だけで、詳細についてはまるで把握していなかったのです。

 今回の件で、現場の社員たちは大きなショックを受けています。「浅川社長の顔を見たら殴ってしまうかもしれない」と吐き捨てる同僚もいるほどです。

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