「悪質な偽計」で強制調査を受けるAIJ投資顧問の「犯意」を裏付ける2つの営業資料をスクープ入手!

 2100億円の年金資金の大半を消失させたAIJ投資顧問事件は、3月23日に証券取引等監視委員会(証取委)の任意検査が終了、刑事告発を担当する特別調査課が事件を引き継ぎ、強制調査に着手することになった。

 容疑も固まり、AIJの浅川和彦社長らが問われるのは金融商品取引法違反(契約に関する偽計)である。

 投資一人契約の際、虚偽の説明をしていたというもので、3年以下の懲役または300万円以下の罰金。これに顧客に虚偽の運用報告を行っていたという罪も加わり、その先に虚偽の報告に基づいて、最大で収益の20%もの報酬を受け取っていたという詐欺罪の適用も検討されている。

 つまり最初から最後まで、ウソで固めた犯罪ということになる。

悪質な「偽計」の証拠

 手元に、AIJが作成した2つの営業資料がある。

 ひとつは2003年4月作成の「エイムミレニアムファンドのご案内(案内)」で、もうひとつは今年1月に使用していた「国内年金基金様向け資料(資料)」である。

 2つの資料が証明するのはAIJ商法の悪質さだ。まず「案内」の方は、ファンドの設定が2002年5月なので、1年後の運用成績を示したもの。設定の翌月(02年6月)2・11%のマイナスを記録しただけで、7月からは安定した月次収入を上げ、累計で35・58%の高いパフォーマンスを実現したことになっている。

 AIJが、厚生年金基金を中心とした企業年金に食い込み、運用資産を順調に増やしていくのは、旧社会保険庁OBの石山勲氏を取り込み、04年1月、石山氏を代表に東京年金経済研究所をAIJ内に設立してからだった。同社とコンサルタント契約を結んだAIJは、石山氏のセッティングで説明会などを開き、顧客を獲得していった。

 従って、03年4月に作成した「資料」の時点で、顧客の獲得に苦労しており、しかも「販売部隊」として使っていたアイティーエム証券が、証券事故を起こし、10億円近い損害を抱えていた直後である。

「案内」では、この時点でファンドはケイマン籍、管理は浅川氏の会社であるバージン諸島のエイム・インベスターズ・アドバイザーズ(エイム社)で行うことになっている。その閉鎖性を利用、創業時の各種資金がファンドから捻出された可能性は高い。

 一方、「資料」はどうか。

 浅川社長が、証取委の調べに、「3年間で1000億円負けていた」というのだから、3つのファンドがすべて利益を上げ、特に基幹ファンドのエイムミレニアムファンドは、2011年末の累計で247・21%を達成と謳い、それで勧誘をしていたのだから、「悪質な偽計」が証明される。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら