賢者の知恵
2012年03月29日(木) 週刊現代

週現スペシャル 受験ガイドには載っていません 名門大学の正体
(V)実は相当にヤバい 国立大学では就職できない「理由」

週刊現代
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 大学受験が終わり、門出に立つ学生と親御さんに、今だから言える本当の話をしよう。国立と私立、早稲田と慶応、どの大学にも長所と短所がある。OBも楽しめる各大学の最新裏事情。

(V)実は相当にヤバい
国立大学では就職できない「理由」

「1年目の就職活動で30社ほど受けましたが内定がとれなかったため留年し、2年目も30社くらい受けたところでようやく初めての内定が出ました。これは一橋大生として、そう珍しい例ではありません。一橋は早慶以下、MARCHと同等、という評価のようです。だから私を含めた多くの一橋生は『損した』と思っています。正直、大学受験の段階では私たちのほうが苦労しているはずですから。もちろん、就活で求められるものが受験と違うことは理解していますが、高校時代の努力はなんだったんだろう、と内定が出た今でも思います」(一橋大学社会学部4年・女子)

「2年間留年して就活を続けましたが、結局どこからも内定をもらえなかった。中小企業をメインに受けていたので、選り好みしすぎ、ということはないはずです。もういまは就活は諦めて、税理士になろうと資格の勉強をしています」(千葉大学法経学部4年・男子)

 国立大卒というネームバリューで引く手あまた、という時代はもはや過去。せっかく努力して難関の入試をくぐり抜けても、いざ就職活動を始めれば、そこに待っているのは、就職に協力しようとしない大学と、国立大生を色眼鏡で見る企業に挟まれた茨の道だ。

アホ大学のバカ学生』(光文社新書)などの著書がある大学ジャーナリストの石渡嶺司氏は、国立大学の就職支援の貧弱さを解説する。

「まず就職課(キャリアセンターなども含む)の不備があげられます。現代の就活は良くも悪くも情報戦です。創立から就職課が設立されている場合も多い私大では、求人情報や各種セミナー、就職相談など数々の就活対策を講じています。

 しかし国立大の場合、そもそも'04年の独立法人化を機に設立した大学がほとんどで、それまでは就職課自体がなかった。なにより国立大で致命的なのはOB・OG名簿の登録人数が少なすぎて実用レベルにないこと。希望する職場で働いている先輩ほど良質な情報源はありません。OB・OG訪問ができる、できないの差は大きい」

 いくつかの国立大の広報に就職課の現状について問い合わせてみた。就職課の職員数は国立トップの東京大でも6名のみ。早稲田大の22名、明治大の31名とは比べるべくもない。

 また卒業生の何割がOB・OG名簿に就職先を登録しているのか、という質問に対し、千葉大は律義にも「何割」という質問の形式を守って「0・5割程度」と回答。早稲田大の「95%」との差が際立つ内容だった。

 採用活動を行う企業側も国立大をあまり好ましくは思っていないようだ。

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