賢者の知恵
2012年04月02日(月) 週刊現代

週現スペシャル 受験ガイドには載っていません 名門大学の正体
(IV)やがて哀しき大学院生

週刊現代
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 大学受験が終わり、門出に立つ学生と親御さんに、今だから言える本当の話をしよう。国立と私立、早稲田と慶応、どの大学にも長所と短所がある。OBも楽しめる各大学の最新裏事情。

(IV)修士、博士になっても就職できません
やがて哀しき大学院生

「偏差値の高くない私立大から有名国立大に行きたいと大学院を目指し、試験と面接は難しく感じずに合格しました。基本的には週2~3日授業に出ていればよくて、自分の研究発表は半年に1回くらい。仲間からは『一番の出世頭だな』ともてはやされたのですが、授業についていけず、研究発表する力も自分にはなかった。何とか卒業させてもらった今は、地元の布団販売店でアルバイトの日々です」(一橋大学大学院修士課程を修了した男性・30歳)

 一生懸命、息子や娘に勉強させて、それなりの大学に進学させた。4年後、もっと勉強して研究者になりたいと言ってきたので、大学院で修士課程2年、博士課程3年を過ごさせることにした。わが子には輝かしい研究者人生が待っている---と考えるのは幻想だ。

 その理由は、学生と社会両方にある。まずは大学院生の現実を見よう。

・安易に進学してしまう

〈学部時代に就職活動に失敗した。私大から、有名国立大学の大学院に進学する〝学歴ロンダリング〟を果たしたが、高度な授業についていけず、落ちこぼれて引きこもりになった〉(国立大修士3年の男性・26歳)

・自由な時間に溺れる

〈研究テーマと関係ないAKB48にハマるネットオタク。ブログは欠かさず更新するものの、調査能力に乏しく、論文はなかなか書けない。アルバイトの予備校講師が本業に〉(東大院博士課程7年目の男性・35歳)

・意思疎通が難しい

〈研究生活でコミュニケーション能力を鍛えなかったせいか、研究職に就くのを諦めた後に一般企業を150社受けても全て落とされた。プライドが傷ついて鬱になり、自殺まで考えた。現在は劇団員としての日々を送る〉(有名私大修士課程を修了した女性・25歳)

 これらは何も特殊な事例ではない。本来、大学院は研究者養成機関であるのに、その覚悟と努力に乏しい学生がモラトリアム期間を延長しようと入ってくるし、自由にかまけて怠ける学生も多いからだ。

 ましてや、大学院を卒業しても、研究職に就けるのはほんの一握りである。

「学生の親が、『なぜうちの子は研究職に就けないのか、職を斡旋してくれ』と直談判に来ました。博士課程まで修了したのに、研究者になれないのはおかしいという。しかし、そう言うなら、もっと勉強してほしい」(国立大学大学院教授)

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