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お父さん必読 女房に訴えられる時代が来た!
我が家のコンプライアンス入門

 女房に「ブス」と言ったら侮辱罪/無断でお尻を触ったら強制わいせつ罪/キスマークは傷害罪/エロ本はセクハラ/通報されて逮捕されるケースも

 一昔前は「ワシがルールだ」と家で威張っているお父さんがいたが、残念ながら時代は変わってしまった。法律という武器を手に入れた女房が暴走を始めたら、太刀打ちするのはなかなか難しそうだ。

夫婦ゲンカのつもりが

 最近、気になるニュースがあった。

〈妻に暴力を振るったとして、千葉西署は総務省の課長補佐を傷害容疑で逮捕した。自宅で妻の髪をつかんだり、両頬を平手打ちしたりした疑い。妻が同署に被害を届けた〉

 かつては「民事不介入」と言われ、夫婦ゲンカを警察が問題にすることなどなかったし、そもそも警察に届け出るような妻はいなかった。だが、いまは違う。家庭内の問題に詳しい弁護士が語る。

「今回は加害者がキャリア官僚だから報道されましたが、妻の通報で夫が逮捕される事案は、実は最近すごく増えている。悪質なDVのケースに限らず、ちょっと手を出したら逮捕、というアメリカのような話も実際にある。いまや会社だけでなく、家庭内でもコンプライアンス意識が必要な時代になったと言えます」

 背景にはインターネットの存在があると指摘するのは、夫婦・家族問題のコンサルティングを行う池内ひろ美氏だ。

「インターネットの掲示板には、『こうすれば相手の男を陥れられる』といった、弁護士なら絶対にしないような『悪意に満ちたアドバイス』が蔓延しています。夫婦間でも、そうした情報を活用しようとする女性がここ数年で急増しているのは事実です」

 傷害罪だけではない。なんと、家庭内でも侮辱罪や強制わいせつ罪といった刑法犯罪は、十分に成立するのだという。

 お父さん、特に亭主関白を自任する方は、これから先は家での言動に気をつけたほうがいい。10年前なら問題にもならなかったイザコザで、最悪の場合、女房に訴えられたり警察に逮捕されたりといった憂き目に遭いかねないからだ。

 では、どんな言動が危ないのか、これから具体的に見ていくことにしよう。

Q1 女房を罵ったら名誉毀損で訴えられる?

「お前はバカか」「デブでブスのくせに」、夫婦ゲンカがエスカレートして、ついそんな暴言を投げつけてしまうことがある。

 これって、名誉毀損に当たるのだろうか。法律のプロに訊いてみた。

「名誉毀損は、社会的評価を低下させることを不特定多数に言いふらした時に成立します。たとえば妻が夫の勤務先に『あの人は虚言癖があるんです』と電話すれば、名誉毀損になる。

 その理屈で言うと、家庭内のケンカで『バカ』『ブス』と罵っても、相手の社会的評価が下がるわけではないので名誉毀損には当たりません」(荘司雅彦弁護士)

 ただし、罪にならないわけではない。

「あまりしつこく言うと、侮辱罪が適用される可能性がある。実際、ある市議会議員がスナックで初対面の女性に『デブ』と数回言ったとして、'04年に書類送検され、'06年に最高裁で有罪が確定したケースがあります。デブがダメなら、バカもブスもダメでしょう」(桐生貴央弁護士)

 ちなみに侮辱罪は親告罪なので、被害者の告訴が必要となる。妻を罵りすぎたと思ったら、告訴される前に謝ったほうがいい。

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