サッカー
二宮寿朗「20年目のJ、順当か、サプライズか」

 J1開幕が近づいてきた。

 2012年はJリーグ開幕20年目というメモリアルイヤーだが、昨季王者・柏レイソル、名古屋グランパス(昨季2位)の2強を推す声が多い。柏はネルシーニョ体制4年目、名古屋はピクシー体制5年目に入る。両チームとも主力メンバーは変わらず、成熟期の“安定感”を評価されているからだろう。

2強脅かす「新しい力」

 毎年優勝争いに加わる鹿島アントラーズ、ガンバ大阪も監督が交代。ともにJリーグで初めて指揮を執る監督とあって、チームづくりに時間がかかることも「2強優勢」の声を後押ししている。横浜F・マリノスや浦和レッズ、FC東京、ジュビロ磐田、セレッソ大阪、サンフレッチェ広島を合わせると実に18チーム中8チームの監督が代わった。成熟度の差という点では確かに柏、名古屋に分がある。

 戦力的に見ても名古屋は大幅な補強こそなかったものの、もともと力のあるメンバーがそろっているチーム。一方の柏はJ2で得点王争いを演じたリカルド・ロボや磐田で守備の要であった那須大亮を獲得しており、ACLを勝ち抜くための補強に成功した。過密スケジュールという負の要素は残るが、2チームに穴らしい穴は見つからない。

 しかしながらサプライズが起こる可能性は十分にあるような気がしている。
ここ10年のうち、監督就任1年目で優勝したケースは2例もある。2003年に岡田武史が横浜FMで、2007年にオズワルド・オリヴェイラが鹿島で達成した(以降、岡田は2連覇、オリヴェイラは3連覇)。力のあるチームが新監督の指導によって活性化し、勢いに乗ることは十分に考えられる。「新しい」ということはパワーにもつながるのだ。

 その意味で今季、「大穴」として期待を抱かせるのが前指揮官レヴィー・クルピも太鼓判を押すセルジオ・ソアレスを新監督に迎えたC大阪だ。

 現役時代、ディフェンダーだったソアレスは1996年に京都パープルサンガでプレーした経験(9試合0得点)もあり、日本を一から知らなくてはならない状況ではない。元大分監督のペリクレス・シャムスカの下でヘッドコーチとして指導者のキャリアをスタートさせており、ブラジル国内では攻撃的なサッカーを展開して一定の評価を得ている。手腕についてはもちろん未知数なのだが、興味を引く経歴ではある。