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無罪獲得、一体改革法案を廃案で一気に野田を追い込み、総理就任まで狙う小沢一郎に立ちふさがる「話し合い解散」の壁


「小沢は消費増税法案に反対して野田佳彦首相を引きづり降ろした後、民主党代表選で自分が立つつもりじゃないのか。そんなこと、世間が許すはずがないが…」-。民主党の長老はこう言って天を仰いだ。

この長老が懸念しているのは、こんな政局見取り図だ。

《元代表・小沢一郎が4月26日ごろ下される政治資金規正法違反事件の東京地裁判決で無罪を勝ち取る。一転してえん罪の被害者となった小沢への支持が広がる。その流れに乗って小沢は5月、衆院本会議で消費増税を含む税と社会保障一体改革法案に反対して否決。野田を退陣に追い込み、その後の代表選で勝利する》

この懸念が的中するなら、小沢は5月中にも民主党代表に、そして首相の座に就くことになる。そんなことがあるのか?

衆院選挙前の政界再編にまで言及

 小沢は昨年11月中旬に、消費増税反対を打ち出し、戦いののろしを上げて以来、間断なくメディアへの露出を通じた情報発信と、夜の会合を重ねて身内を固める「両面作戦」を続けている。

1月までは週刊誌やインターネットテレビ、衛星放送を舞台に、2月には共同通信、朝日新聞のインタビューに応じて大手メディアに登場。今月3日には、テレビ東京に出演し、今後も全国紙や地上波テレビへの出演が計画されている。

小沢はメディアにおいて、依然として「売り手市場」だ。小沢が党内で大きな影響力を持っている以上、小沢の「ニュース価値」は高い。

メディア側は小沢にインタビューや出演を申し込み、小沢が応じるとなれば小沢側が提示した条件をのんでも実現を優先させる。小沢も心得たもので、インタビューごとに発言のトーンを変える。先月22日の朝日新聞インタビューでは衆院の解散・総選挙に踏み切る場合、「民主党内閣、民主党自身の終わりだ。選挙前の再編を含め、国家が混乱しない方策を考えなければならない」と語り、衆院選前の政界再編に踏み込んだ。
 

 こうも強気になったのは、東京地裁が2月17日、資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)事件で、小沢に虚偽記載を報告し、了承されたとした衆院議員・石川知裕の捜査段階の供述調書を証拠不採用としたからだ。小沢は判決で無罪になる確信をますます強めた。

その後の報道でも、東京地検特捜部が虚偽記載の捜査報告書を放置していたことが発覚。特捜部が小沢を強制起訴した検察審査会をだましたと受け取られかねず、裁判は小沢に優勢な展開となっている。

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