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Close up 大越基「元プロ野球選手の〝教えない流儀〟」早鞆高校監督

2012年03月04日(日) フライデー
friday
おおこし・もとい◎1971年、宮城県生まれ。仙台育英高では3年夏の甲子園準優勝。早大中退後、1Aサリナスを経て'93年に投手としてダイエー入団。実働1年で13試合登板、勝敗なし。翌年、野手に転向し、通算365試合出場、打率.237、1本塁打、24打点。'03年オフに引退〔PHOTO〕小川 光
練習グラウンド脇の監督室でインタビューに応じる大越。早大野球部の同期には仁志敏久(元巨人)らがいる

「技術的なことは教えない。人間性を育てるだけ」─早大中退、ダイエー・ホークス解雇と躓き続けた 元甲子園のヒーローが、指導者として甲子園に挑む

「昔、フライデーに撮られたことがあるんですよ。(当時の)彼女と遊園地でデートしてるところ。あの後、彼女の親に土下座しに行きましたからね(笑)」

 かつての甲子園のヒーローは、記者の顔を見るなり、22年前の本誌との〝因縁〟を口にして、高らかな笑い声を上げた。

 大越基、40歳。私立早鞆高校(山口県下関市)野球部監督。昨年の秋季高校野球大会で中国地区3位の好成績を残し、同校を45年ぶりの甲子園出場に導いた、元プロ野球選手の指揮官である。

「別に特別な練習はしてませんよ。オーソドックスなことしかやってません。技術的な面は一切教えていないし、自分が口にするのは精神的なことだけです」

*

 2月17日、午後2時。粉雪を伴った玄界灘の強風が打ちつける練習グラウンドに2年生16名、1年生16名の総勢32名の野球部員が集まった。ランニングに始まり、シートバッティングなど、通常の練習をこなしていく。この間、大越は不動明王のごとく、選手たちの動きをただじっと見ているだけである。

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