「石川調書不採用」で共謀が立証されない小沢公判で「推認有罪」はあるのか?
石川知裕元秘書(現代議士)〔PHOTO〕gettyimages

 東京地裁の大善文男裁判長は、政治資金規正法違反(虚偽記入)を問われた小沢一郎民主党元代表の第14回公判で、小沢被告の「虚偽記入への関与」を認めた石川知裕元秘書(現代議士)の供述調書を証拠採用しなかった。

 小沢氏は、1月10日と11日に行われた被告人質問で関与を否定、その前に行われた「意見陳述」では、「検察は議会制民主主義を踏みにじり、国民主権を冒涜した」と、ののしった。その強硬な小沢氏を追い詰める唯一の証拠が、「石川調書」だったのだから「不採用」は、有罪判決を受けた石川被告らとの共謀立証を失わせるもので、「無罪判決」の確立が高まった。

 既に、政局は「小沢無罪」を織り込んで動いている。だが、果たしてそれでいいのか。「秘書公判」で、同じく調書を証拠採用しなかった登石郁朗裁判長が、「推認有罪」を下した前例がある。これまで、検察の主張通りに有罪判決を出し続けてきたことで知られる大善裁判長が、今回に限って無罪判決を書くことができるのか。

 実は、誰にも判断できない。

 『読売新聞』は、「共謀立証の柱失う」という解説記事のなかで、検察捜査を批判、「無罪判決」に流れは向かったと書きながら、それでも「確定的とは言えない」と、両論併記を忘れない。それは、いつものマスコミの"保身"ではなく、司法記者も法律の専門家も、状来の経験則では、判決の行方を見極められない時代に入ったことを意味する。誰もが「刑事司法の変化」に揺らいでいる。

 実は、「小沢公判」の唯一の"見所"はそこである。「刑事司法」の変化を、専門家も国民も体感できる。