『運命の人』(元毎日記者・西山太吉氏)のモデルが警告!悪魔の「秘密保全法」原発事故も隠蔽だらけの民主党が密かに進める「反情報公開」推進法を許してはならない

2012年02月25日(土) フライデー

フライデー経済の死角

upperline

「'03年に鹿児島県で起きた志布志事件では、公職選挙法違反(買収)容疑で、15人の被告が逮捕、起訴され、最高1年以上にわたって身柄を拘束されましたが、後に裁判で無罪となりました。朝日新聞鹿児島総局の記者が、秘密を握る警察官に、『あなたは何のために警察官になったのか』と迫り、無理な取り調べがあったことを示す取調小票というメモ、捜査内部の会議の議事録も手に入れました。

 議事録には『この小票が公開法廷で開示されることになればこの事件は飛ぶ(終わる)』という捜査幹部の発言などが書かれていました。秘密保全法ができれば、開示した警察官はもちろん、開示を迫った朝日の記者も刑事責任を追及されます。しかも、公務員法より量刑が増えたことで緊急逮捕が可能となりますから、事前の令状審査がないまま記者を逮捕。逮捕に伴い、令状なしで支局にガサ入れすることが、法律上は可能になります」

 表向き、野田内閣が法案提出を目指す理由として、尖閣諸島で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突してきた事件の映像が海上保安官の手でYouTubeにアップされた問題を上げている。

「実は、尖閣諸島の事件よりはるか以前から、さらなる情報統制をという国家の強い意志は働いています。廃案にはなりましたが、'85(昭和60)年には通称スパイ防止法案が自民党議員から提案され、'01年の9・11の発生を機に防衛秘密法制が新設された。これはテロが起きたから急いで準備したものではなく、準備していたものを好機を見て提出したのです。こうした政府の意志の背景には、日米関係も横たわっています」(田島教授)

 田島教授の言う背景とは、'70~'80年代に日米間の軍事協力や技術協力が緊密の度を増したことで、相互に提供し合う軍事秘密を保護すべく網をかける必要が高まってきたことを指す。その関係は現在も続き、'07年に日米間で締結されたGSOMIA(軍事情報包括保護協定)は、その一つの表れだ。

 一方で外交、防衛にまつわる国家機密が国益を損ねる可能性があることも事実だ。東京大学大学院法学政治学研究科の

 宍戸常寿准教授は、こう語る。

「現在の政府は国民に対して説明して同意を取るという政治プロセスを経ないから、逆に国民から何でもガラス張りにしろという意見が出て、官僚が面倒くさいから文書を作らない、あるいは捨てるといったことが平気で行われているのです。ただ政府が、防衛・外交の秘密について、公開に値するかしないかを適切に意思決定できるのかは疑問です。

 小泉純一郎政権ではアメリカに大量破壊兵器があると言われてイラクに自衛隊を派遣しましたが、結局なかった。安直な意思決定をしたのに、政権が交代して誰も責任を取らない。今、秘密保全法ができたとして、『外交、防衛に関するものだから』の一言で、まともな検討もなしに情報を隠す決定がなされる怖れがあります」

次ページ  西山氏の手によって暴かれた沖…
前へ 1 2 3 次へ

このエントリーをはてなブックマークに追加 RSS
関連記事

最新号のご紹介

underline
アクセスランキング
1時間
24時間
トレンドウォッチ