雑誌
突然勃発 石原慎太郎 VS.伸晃「親子ゲンカ」の行方
父は「辞めちまえばいいんだよ、幹事長なんて」、長男は「父は利用されている
フライデー
石原新党構想には、橋下徹大阪市長が代表を務める『維新の会』と、大村秀章愛知県知事も連携を表明した〔PHOTO〕鬼怒川 毅

「僕には、何も話してくれないんです。ただ、父は組織論とかは分からない人ですし、直感力で生きていて、組織に長くいられるような人間じゃないですからねぇ」

 2月13日、朝の情報番組『モーニングバード!』(テレビ朝日系)にコメンテーターとして出演するタレントの石原良純(50)は、父・石原慎太郎都知事(79)と、兄・石原伸晃自民党幹事長(54)の「親子ゲンカ」について、こうコメントした。

 突然勃発した親子ゲンカの発端は、慎太郎氏の〝石原新党〟構想が持ち上がった当初にまで遡る。自民党議員が新党に大量に合流するという話が出たため伸晃氏が、「新党は他人のサイフに手を入れて、カネを盗もうとしているのと一緒」と批判したのが始まりだった。2月6日にはBS朝日の番組『お昼のNews Access』に出演し、こう発言した。

「与党の『国民新党』と野党の『たちあがれ日本』が一緒になったら、何党になるんですか。子供から見たら、(父は)利用されているようにしか見えない」

 慎太郎氏が、『国民新党』の亀井静香代表(75)と、『たちあがれ日本』の平沼赳夫代表(72)に担がれていると言うのだ。

'03年4月13日、70%という得票率で都知事選を圧勝した慎太郎氏。選挙事務所には、慎太郎氏の右から妻の典子さん、伸晃氏、良純氏、三男の宏高氏、四男の延啓氏が集結〔PHOTO〕橋本 昇
父・慎太郎氏の「石原新党」構想を猛烈に批判する伸晃氏。彼が新党に乗るとしたら、総裁選に敗退した後か〔PHOTO〕鬼怒川 毅

 その発言を受け2月10日、記者会見の場に現れた慎太郎氏は、長男を挑発した。

「私は誰にも利用されていません。私の行く道、やることは自分で決めます。まぁ、彼(伸晃氏)には彼の立場があるわな。辞めちまえばいいんだよ、幹事長なんて。あんなワケの分からない政党にいて、損して、本当にかわいそうだと思うよ、言いたいことも言えないし」

「親子ゲンカ」は、地上波の番組にまで波及。伸晃氏は、翌11日の『週刊ニュース新書』(テレビ東京)に出演し、またも慎太郎氏の新党構想を斬り捨てた。

「もう80歳になりますから、自分のことは自分で決めるでしょう。ただ、周りに父を利用している人がいるのは間違いないんです。私はそれを言っただけで、また今度ハッキリと言おうと思います。現在は、都知事という外の立場から『国政は何も決められていない』と批判していますが、同じ立場に立った時に上手くできるとは思えない。いろいろな政党の人をつまみ食いして、政策がバラバラなままでやっていこうと思っても、政党を運営するのは難しいでしょう」

 実は、この番組の直後、慎太郎氏は伸晃氏の携帯電話に連絡し、「ボソボソしゃべってインテリぶるなよ」と、忠告したという。これに対し、伸晃氏は、

「80歳になる老人の言葉だから、まともに聞いちゃいけない。親父は組織人じゃなくて自由人だ。石原新党は保守の結集というが、平沼さんと父の保守は違う」

 と、周囲には歯牙にもかけない素振りを見せているという。

 この親子ゲンカに、良純は冒頭の番組で冷ややかに、こうコメントしている。

「後先考えてモノを言うタイプの人ではないですから、父は。(石原家が日本を動かしていると共演者に褒められたが)大したことはしてないですよ、二人とも」

ケンカの真相

 実際、この〝ケンカ〟を、永田町はどう見ているのか。自民党の幹部はこう語る。

「異常なほどの子煩悩で知られている慎太郎が、我が子の行く道を閉ざすような行動を取ることはないよ。もし、慎太郎が新党を作り、ある程度の勢力を保つようになったら、伸晃が自民党総裁、ひいては首相になる道が絶たれてしまうからね。慎太郎は、自らが先頭に立って旗振りをするようなことはしない。新党ができれば、亀井や平沼との友情があるから応援はするだろうけど、自民党や民主党に代わって政権を獲りに行くということはしない。都知事として東京オリンピックの招致を進めている慎太郎が、直々に衆院選に出馬するという話でもない」

 下馬評では、亀井、平沼の両氏が、自民党が次の選挙で政権に復帰すると読み、それまでに自民党復党の下地を作って凱旋するために、『石原慎太郎』という金看板を利用しているとの声も聞こえ、この説に伸晃氏が同調しているとも見られる。実際、慎太郎氏が「(新党構想をしゃべりまくる)亀ちゃんには困ったもんだが、見捨てることはできん」と伸晃氏に話したと、周辺から聞こえてきた。

 伸晃氏が父に新党を断念させようとしているのは、父の名前で数が集まると思わないからであろう。橋下徹大阪市長(42)が主宰する『大阪維新の会』や大村秀章愛知県知事(51)との連携なしに数は集まらない。だが、「慎重で利口」と評される橋下氏が、簡単に〝口うるさい老人の寄り合い〟に協力するとも思えない。

 昨秋の大阪W選挙で、『大阪維新の会』に対して対立候補を立てた自民党だが、伸晃氏は『週刊ニュース新書』の中でこう語り、橋下氏との共闘を匂わせた。

「大阪だけで見たら、自民党と『維新の会』は厳しい関係にあるんだと思います。『維新の会』と違う候補を、大阪の自民党が推したわけですからね。中央は推してませんが。対決をしたということは考え方が違うわけですから、自民党大阪府連が今後の対応を本部に上げてくるでしょう。本部が動くのはそれからです」

 全国紙の政治部記者は、今後の展開をこう読む。

「この親子の関係は、衆議院の解散時期によって変わります。3月や6月だと石原幹事長は総選挙を仕切る立場なので石原新党を認めるわけにはいかない。ですが、9月になれば自民党総裁選が行われ、石原幹事長が出馬します。総裁選に敗れたら新党に合流するのでしょう」

 表面上はケンカをしているが、父は息子に総裁選後の進路を作り、息子は、父に「橋下徹」という数を集める保険を与えようとしているのだ。

 さすが名優・石原裕次郎の兄と甥である。政治を劇場に変えたはいいが、オチまでキレイにつけられるのだろうか。

「フライデー」2012年3月2日号より

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら