田原総一朗×堀義人(グロービス・グループ代表)×岩瀬大輔(ライフネット生命副社長) 「役人よりベンチャーが偉い社会に変えよう」若手経営者に聞く3・11以降のニッポン VOL.3

2011年05月09日(月) 田原 総一朗
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岩瀬: 短期的には、よくなると思います。

田原: ドーンと30兆円の需要ができるわけだからね。

岩瀬: 建設需要は増えます。だから短期的にはよくなると思うんですけど、長期的に見た場合、その30兆円増でまた震災前と同じものを作り直すだけだとしたら、いままでの閉塞感ある状態にまた戻るだけです。一時的な建設需要は生まれると思いますけど、その後はまた同じですよね。

田原: そこは阪神大震災と違うと思う。阪神大震災のときには津波はなかった、原発事故もなかった。だから復旧でよかった。だけど今度はそうはいかない。

 例えば双葉町で町長をはじめ町民がみんな埼玉にきていますね。埼玉でいまは学校にいるわけだけれど、どこかに彼らの暮らす住宅や街を作らなければならない。こういうのは復旧とは違いますよ。

 陸前高田にしたって、あのまま復旧したらまた津波がくるにきまっている。

岩瀬: そうですね。だからそこにスーパー堤防をたくさん作って多少違う形で復旧したとしても、構造的に経済が強くなるということにはならない。

起業家精神で農業や漁業の「体質改善」を

田原: だからどうすればいい? 経済を強くするためにはどうしたらいい?

岩瀬: これを契機に、一部を特区にして、農業、医療、介護などの分野で規制緩和をどんどん進めて、いままでなかなか試せなかった先進的な取り組みで競争力が高まるようなものを試していくのがいいのではと思っています。

田原: 東北地方の産業って三つなんですよ。農業と漁業と、それから半導体をはじめとする部品産業なんです。

 で、部品はともかくとして、農業はね、津波でやられたところを復旧したって意味がない。それに大事なことは農業で使う田畑って昔からあるわけね。自分で田んぼや畑を買ったお百姓さんはほとんどいませんよ。昔からの田んぼや畑を使って作物を作っていた。

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