高くついた反アップル戦略 NTTドコモで通信障害続出の真相

2012年02月14日(火) 町田 徹
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 ドコモは、スマホの急成長に伴う通信容量の急増の見積もりを誤ったとしている。それ自体は事実なのだろう。

 が、その一方で、スマホの成長・成功を演出するため、多額の販売奨励金や割賦販売によって、音声電話からスマホへの乗り換えを促進した営業戦略は適切だったと言い切れるかどうかは疑問である。

 ライバル他社の2倍を超えるというスマホユーザーの2000万契約は、そうした営業戦略の賜物であり、その膨れ上がったユーザーのトラフィック(通信)が深刻な通信障害を引き起こす原因のひとつになっていたからだ。

 最後に触れておきたいのは、ドコモだけでなく、最近になって通信障害が頻繁に起きるリスクが露呈したKDDIと、アップルへの依存度が高いソフトバンクモバイル、携帯電話メーカーを含めて、日本企業は今後、戦略的に活用できる自前の携帯電話OSを保有していないという問題だ。

 これでは、アップルやグーグルといった米国企業が携帯OSのバージョンを変えるたびに、日本の携帯電話会社、メーカー、そしてユーザーが米国企業のリスクを転嫁され、検証させられる宿命を背負い込むことになる。

 この問題は10年以上前から繰り返し指摘されながら、抜本策がとられないまま、いたずらに歳月が経ってしまった。

 今こそ政策的な支援も含めて、世界市場で一定の市場シェアを取れるアプリケーションやハードウェアを開発し、八方塞の状況の打開に繋げる必要があるのではないだろうか。すぐに携帯OSを開発することは無理でも、周辺分野で世界的なシェアを確保して、OSの設計や品質向上に関与する方策を確保しなければ、通信障害が永久に繰り返されるのではないだろうか。

 

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