グロービス社の主催するG1サミットに参加した。政財官学メディア各界のリーダーたちが集う“日本版ダボス会議”である。私の出番は二つ。最終日の「日本版政府系ファンドの未来」というものと、最終日前夜のナイトセッションにて「グローバル人材の育て方」というものだ。この「グローバル人材の育て方」という議論が大変面白かったのでここでその一部を紹介したい。
私がまず「“グローバル人材”との問題設定自体がグローバルでない。“グローバル人材”なんて英語には訳せない。わざわざ“グローバル”と言わないといけないところが日本らしい」と切り出し、議論は始まった。その中から、英語力についての議論を紹介したい。
口火を切ったのは私。「これからは日本人も非英語圏人だからといって国際舞台で甘えてはいられない。並大抵ではない英語力が必要だと思う。私が留学していた15年前なら、多少下手でも英語で日本人がプレゼンしたら拍手で称賛してくれた。しかし、今はアジア系の顔でも完璧な英語を話すネイティブが米国内に山ほどいる。アジア系の顔をしていたら、英語が下手でも許されるという時代ではなくなった。ランド研究所のような場所にいると一度英語で詰まったり口ごもったりしたら、二度と話を切り出すチャンスはない。次はだれも目も合わせてくれない」と球を投げた。
これには英国のプライベートエクィティファンドでパートナーをつとめるM氏が「自分は金融の世界にいるが、武器となるコンテンツがしっかりしていれば英語が完璧でなくてもいいと思う。自分はゴルフの青木功さんのインタビューを聞いて自信をつけた
グローバルであれと言っているが、それは英米人の中に入って見事にやりとりできるまで英語を高めよということではない。アジア含めて英語を外国語として話す人たちの中で、多少たどたどしくても通じるくらいの英語を手に入れよと言っている」との発言があった。