田原総一朗×堀義人(グロービス・グループ代表)×岩瀬大輔(ライフネット生命副社長)
「守りしかしらない政治家も経営者も退場せよ」

若手経営者に聞く3・11以降のニッポン VOL.2

vol.1 はこちらをご覧ください。

田原: アメリカにしてもイギリスにしてもフランスにしても、全部二大政党なんですね。二大政党って、それぞれなんのためにあるかってハッキリしている。例えばアメリカで言えば、共和党は資本主義、民主党は社会民主主義なんですよ。イギリスも同じです。

 ところが日本ではね、全部が社民なんです、自民党も民主党も。なんで日本では資本主義が育たないのかな。

岩瀬: 小泉-竹中路線では・・・。

田原: あれは確かに資本主義だった。でもいまはあれはコテンパンに批判されているじゃない? 「小泉-竹中が日本をダメにした」っていうのが通り相場になっている。

岩瀬: それが本当に民意なのかっていうのがよく分からない部分があります。東大の研究者の方が出した『世論の曲解』という本があるんですが。

田原: 『世論の曲解』は僕も読んだ。あんまり面白くなかったけれど。

岩瀬: (苦笑)。僕は面白いと思ったんです。なぜかと言うと、世論というのは本質的には振れるものではないと書いてある。それなのに、なぜ麻生政権以降、世論は自民党に対してノーを突きつけたかというと、それはやっぱりバラマキ型に戻ったからだというんです。

 だからその方向を転換することを期待して世論は民主党に票を投じたと。それなのに、なぜ次の選挙で民主党にノーを出したのかというと、今度は民主党がバラマキになっていたからだと説いています。

ヨーロッパでドイツだけが元気な理由

田原: それが間違いなんですよ。あの本を面白くないと思ったのは、そういうおおざっぱなところがあるからなんです。

 麻生政権がなんで小泉-竹中政権を批判したか。それはリーマン・ブラザーズの倒産が原因ですよ。

 麻生太郎が総理大臣になった。ほぼ同時にリーマン・ブラザーズ倒産です。そこから大不況ですよ。大不況の中で、日本はどうするか。

 だからね、別に麻生が政策を間違ったんじゃなくて、百年に一度の大不況になっちゃって、それまでの政策を変えざるを得なかったんです。

 麻生は15兆円の補正予算を作りましたね。そんなの作るべきじゃなかったの? あの年の10-12月は、GDPのマイナスが12.4%になった。1-3月は 14.6%減ったんですよ。放っておいてもよかったの?

岩瀬: 一時的には財政政策も必要だと思うんです。ただ資本主義的なものに構造的に変わっていく流れまですべて止めてしまいました。そこが問題だと思っています。

田原: そうね。さらに民主党がこれに乗っかって、完全な社民主義になっちゃっている。あとマスコミが全部、社民主義でしょう。

堀: リーマンショックの大不況の中で、唯一、財政の緊縮を保ちながら景気を戻した国があります。ドイツです。

 ドイツは財政政策をやらなかったわけです。その間、他の国は全部やって、結果的にEUがどうなっているかというと、ギリシア、それからポルトガルが、アイルランドが財政危機に見舞われた。いまスペインとイタリアが防波堤になっていますが、そこがどうなるかを私は注目しています。アメリカも急激に財政が悪化しています。

田原: これはオバマのせいですよ。オバマは社民だから。

堀: そんな中で一番景気がいい先進国はどこかというと、財政出動をしなかったドイツなんです。

 そういう状態を見ると、財政で多くの投資をすることがいいかと問われれば、僕はそうは思わない。これはカンフル剤みたいなものです。カンフル剤を入れ続けた結果、「また欲しい、もっと欲しい」ということになってしまう。そうじゃなく、体質変化をしなくちゃいけないんです。

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