経済の死角

科学的根拠が乏しく、東京都福祉保険局は立ち入り調査へ 福島の園児が受けた「(怪しい)毛髪で判る内部被曝検査」

2012年02月12日(日) フライデー
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QRSの上に載せられた毛髪。毛髪が出す波動を利用して、内部被曝の検査をするという。爪でも検査が可能だという
毛髪を送った際の状況を説明する母親と園児。「安心を買いたい」という思いは、失望へと変わった

「9月初めに幼稚園から『髪の毛を検体として提出するだけで、内部被曝の検査ができる』との案内がありました。早速、息子の髪の毛を30本ほど切り、幼稚園を通して検査機関に送りました。1ヵ月後に送られて来た結果はシロ。よかった、と胸を撫で下ろしましたが、今になって科学的根拠に乏しいと聞きました。あの検査は意味があったのでしょうか」

 このように戸惑うのは、福島県福島市の「みその幼稚園」に6歳の息子を通わせる30代の母親である。昨年夏、「毛髪で内部被曝の状態を計測できる」という検査が、福島県内の幼稚園や保育園で行われていた。検査費は最低でも一人8400円。福島市、いわき市の児童約120人が検査費を払って検査を受けたといい、これまで内部被曝が確認された児童はいなかったという。

 しかし、1月27日、朝日新聞の報道をきっかけに、大きな波紋が広がることになった。冒頭の母親が言うように、その検査が科学的根拠に乏しいこと、日本保育協会の福島県支部が、詐欺の疑いもあると注意を呼びかける文書を県内の保育園に送ったことなどが報じられたのだ。この検査とはどんなものだったのか。

 用いられたのは、QRS(量子共鳴分析器)という装置。その上部に毛髪を20~30本置いて、ヨウ素やセシウムなど8項目の内部被曝の状態を測定するという(上写真参照)。QRSは、'95年にアメリカから伝わった設計図をもとに日本で完成され、〝波動〟を感じとることで、糖尿病や、がん、ストレスなどの状態を測定できるという。しかし、大阪大学サイバーメディアセンター教授で、朝日新聞の記事にもコメントを寄せた菊池誠氏は、QRSは医療装置として認可を受けておらず、やはり科学的根拠に乏しいものだと語るのだ。

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