世界から取り残される日本の大学を変えよう!東大グローバル化の邪魔をする東大法学部、期待は京大リーディング大学院

2012年02月06日(月) 田村 耕太郎
東大の9月入学は日本の教育界のグローバル化の第一歩だ

被害者は大学生

先週、文科省高等教育担当高官とグローバル教育についてじっくり懇談させてもらった。とても刺激となり色々と理解を深めることができた。今回は日本の大学のグローバル化の試みや課題について語ってみたい。

私は日本企業のグローバル化が急速に進む今年を起点に、日本の若者には世界で活躍できるチャンスが広がっていくと思う。教育の現場が日本の若者のグローバル化のためのインフラとなるべきだ。ところが、現実は日本の学生が被害者になりつつある。産業界と大学界の不信に板挟みになり、日本人学生が犠牲になりつつあるのだ。

 産業界の日本の大学教育への不信はよくわかる。大学教育の出口であるのが就職。企業側は、「4年間もかけながら、われわれが欲しがるような人材を作ってくれていない」との思いがある。その背景には「象牙の塔」への不満もある。株を売り買いしたこともない学者が資本論を教え、企業への就職経験もない人間が経営論を語る。これだけ激変する世界経済情勢の中で、毎年同じ教科書を使い、試験問題までほぼ一緒という先生が名門と言われる大学にもまだいる。英語での授業どころか、外国語教育もままならない。

 だが、大学に不満ばかり漏らす産業界にも責任はある。いまだに世界でも類をみない大量一括採用を辞めず、3年時から就活をさせて、大学生での学習時間を無駄にさせ、知力を削いでいる。一方で日本の学生を見捨てるような行為も広まっている。日本の若者を批判しながら、自らはちゃっかり海外で非日本人採用強化を進める。大学も企業もどっちもどっちだ。

世界からずれている東大法学部

 そんな中で徐々にではあるが、日本の大学もグローバル化へ舵をきりはじめた。東大の9月入学は日本の教育界のグローバル化の第一歩だ。しかし、敵はウチにあるようだ。東大の教員や学生に聞くと、東大グローバル化の抵抗勢力はなんと法学部だという。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。