賢者の知恵
2012年02月09日(木) 週刊現代

新研究 あの著名なミュージシャン、作家、画家・・・
なぜ天才にゲイが多いのか

週刊現代
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 ユダヤ人ピアニスト、ホロヴィッツは言った。「この世には3種類のピアニストがいる。ユダヤとゲイと下手くそだ」と。音楽に限らず芸術分野で活躍するゲイは多い。いったいなぜなのか、探究した。

スポーツは不得意

『ドリアン・グレイの肖像』で知られる詩人ドリアン・グレイの肖像は1895年、自らが男色の罪で告訴されている法廷で、〝ある言葉〟の意味を検事に問われ、こう説明した。

〈それは年嵩の者が年若き者に寄せる偉大なる愛の別称なのであります。プラトンの哲学の基礎であり、ミケランジェロやシェイクスピアのソネットにも見いだされるものであります。深く精神的な愛にして、純粋かつ完全である。シェイクスピアにせよミケランジェロにせよ、偉大な芸術作品の決め手となったのはこの愛であり、作品のすみずみにまで息づいております〉(『ゲイ文化の主役たち』(青土社)より)

 このワイルドが糾弾の場でさえ褒め称え、「芸術作品の決め手」とまで言い切った〝ある言葉〟とは、同性愛のことであった。

 ソクラテス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、トルーマン・カポーティ、アンディ・ウォーホル、エルトン・ジョン---これら歴史に名を残している天才たちは、ゲイだと言われている。日本にもミュージシャンや作家や画家などの中に多数いる。

 ゲイを含む同性愛者の割合については、人口の1~2%、あるいは4%ともされる。だが、いずれにしても数%程度の少数派である。それにしては、傑出した才能を持った人があまりに多く、そしてある分野に偏在しているように思える。

 たとえば音楽家である。

「作曲家で指揮者としても知られるレナード・バーンスタインは、〝アメリカのクラシックはゲイがつくった〟という言葉を残しています。ジョージ・ガーシュウィンなどの例を挙げるまでもなく、アメリカの偉大な音楽家にゲイが多いのは事実です。

 世界的に見てもそれは同じで、恋人であった甥に遺作となった交響曲第六番ロ短調『悲愴』を捧げたチャイコフスキー、当時のスターテノール歌手と生涯を添い遂げた作曲家ベンジャミン・ブリテンなど、クラシックの主流には欠かせない存在です。

 作曲家、指揮者、歌手、演奏者すべてにおいてゲイは常に中心的存在なのです」(クラシック音楽評論家ヴァレリー・シャー氏)

 文学も多数のゲイが活躍する分野のひとつだ。ゲイ文学を研究する翻訳家の柿沼瑛子氏は語る。

「海外ではちょっと大きな書店に行けば〝GAY〟というジャンルの棚があるくらいにはポピュラーです。サマセット・モーム、ジャン・ジュネ、ジェームズ・ボールドウィンなど、作家名を挙げ始めればきりがないくらいです」

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