プライバシーで非難するマイクロソフト
グーグルはなぜSNSを理解できないのか

マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO、背景はグーグルの新プライバシー・ルールの通知画面

 グーグルとマイクロソフトが、プライバシー問題で対立している。発端はグーグルが2012年1月24日(現地時間、以下同じ)に発表したプライバシー・ポリシー(個人情報保護規定)の変更だ。

 これに対しマイクロソフトのFrank Shaw氏(広報担当者)は、水曜日(2月1日)の公式ブログで「グーグルの行為はユーザーのプライバシー管理を難しくする」と噛みついた。即日、グーグルのBetsy Masiello氏(Policy Manager)も公式ブログで反論するが、マイクロソフトは翌2日に主要新聞にグーグル批判の広告を掲載した。

 よりよいサービスを提供するために---と説明するグーグルに「疑問」をもつのはマイクロソフトだけではない。発表以来、業界メディアではポリシー変更を批判する記事が続いている。日本でも広く利用されている同社のサービスだが、なぜグーグルはそんなに信用されないのか。今回は、この問題を考察してみたい。

プライバシーの変更はサービス向上のため

 グーグルは1月24日、プライバシー・ポリシーの変更を発表した。この変更について、通知メールを受け取られた読者も多いと思うが、骨子は以下の通りだ。

1)サービス別のプライバシー・ポリシー(60件以上)をひとつにまとめる。
2)ポリシー統合により各種サービスの間で情報共有し、連携サービスを実現する
3)プライバシーの保護は従来と同じ。変更は2012年3月1日より実施
4)同意できなければ、データを他社に移転し、利用を中止すること

 同社はグーグル・サーチやGmail、ユーチューブ、グーグル・カレンダー、グーグル・ドキュメントなど様々なサービスを無料で提供しているが、それぞれには個別にプライバシー・ポリシーが設定されている。今回の変更は60件を超える個別のプライバシー・ポリシーを1本化する。

 では、なぜポリシーを1本化するのだろうか。その狙いは個人情報の統合にある。たとえば、サーチ・サービスでは利用者がどんな言葉で何を検索したかが蓄積されている。一方、Gmailではメールアドレスやメール内容、添付資料などが同社のサーバーに保存されている。それぞれのサービスは、それぞれのポリシーにより守られている。

 現在同社は、同じユーザー名とパスワードで、多くのサービスが利用できるように工夫している。しかし、それぞれのサービスで蓄積された個人情報はプライバシー・ポリシーが違うため、自由に統合するわけにはゆかない。そこでポリシーを1本化し、サービス別の個人情報を統合する。つまり、今回のポリシー変更は、プライバシー保護を強化するためではなく、サービスを統合するためおこなう。

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