週現スペシャル 億の収入がある人間たちの「本当の姿」 大金を稼ぐ仕事は幸せか

2012年02月08日(水) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 外資系証券会社でファンドマネジャーを務める太田淳氏(41歳・仮名)が言う。

「私たちの報酬がなぜ高いか。理由は簡単です。会社が優秀な社員に去ってほしくないからです。『人が辞めない給料』を会社が払うのは、私たちの感覚では当たり前のことです」

 大金を稼ぐ仕事で真っ先に名前が上がるのが、外資系の証券会社だ。ゴールドマン・サックス、メリルリンチ、モルガン・スタンレー、BNPパリバ、クレディ・スイス・・・・・・。

 会社によって多少の違いはあるが、MD(マネージングディレクター)というタイトル(肩書)に達すると1億円プレイヤーが出てくる。最盛期には年収100億円のファンドマネジャーもいた。

 太田氏もリーマンショック前の'00年代半ば、年収が5億円を超えた。

「ウチの会社は売り上げの約40%をボーナスに充てる。だから年による収入の変動は大きいが、私はここ数年は1億円を下回ったことはありません」

 彼らは、自分たちの報酬が「不労所得」かのように言われることを嫌う。

「だって働いてるから。ウォール街のデモもそうですが、世界中に『金融屋が諸悪の根源だ』とする風潮が広がっている。勘弁してほしいと思う。虚業だと言われますが、我々には『カネの流動化』を起こすことで実業を支えているというプライドがある。

 私に言わせれば、お年寄りに投資信託を買わせて、『こっちのほうが率がいいですよ』と次々に乗り替えさせて、その都度2%の手数料を取るような証券マンや銀行員のほうがよっぽど悪質ですよ。あれこそ不労所得で、日本のガンだ。売る側が何のリスクも負ってないんだから」

 彼が「働いている」と自負を持つ生活は、毎朝5時に起きて世界中のニュースをチェックすることから始まる。都心にある会社にタクシーで出勤し、7時から全開で仕事をこなす。海外とのやり取りが多いため業務は深夜に及ぶ。

なぜ非常識な人が多いのか

 毎年2割ほどの人間が辞めていく社内競争を勝ち残ってきた。大損するかもしれないリスクを日々負いながら、対価として高い報酬を得ている。だが、太田氏には違和感がある。

「何ていうのかな・・・・・・。言わば『異物』扱いなんですよね。たとえば高校大学の友人が有名企業の会社員になってて、それでも年収が僕の100分の1なんて事態が起きる。こっちに後ろめたさはないけど、相手は『すげえなぁ』と言いながら、明らかに複雑な感情を抱いているわけです。

 ずっと一緒に過ごしてきて、能力的にそんなに差がないことはお互いわかっている。どう考えても100倍の差はない。そうすると、何が起きるか。少なくとも、カネを稼ぐというその一点で尊敬されることはないわけです。『能力以上に稼いでる』と同級生は内心、思っている。世間も思っている。下手したら親父だって思っている」

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