世界経済
ギリシャの債務交渉---デフォルト(債務不履行)の可能性高まる
〔PHOTO〕gettyimages

 昨年から続いているギリシャの債務再編交渉(借金棒引き協議)が難航している。協議が難航している背景には、ヘアーカットレート(借金棒引き率)が昨年7月時点の21%から70%程度まで引き上げられることに加えて、ヘッジファンドなどの投機筋が債務再編に抗戦する姿勢を崩していないことがある。

 こうした状況を考えると、交渉の当事者であるギリシャ政府やEU当局者、及びIMF(国際通貨基金)は、今後、債務を強制的に一律カットする"集団行動条項"の適用も検討し始めているようだ。仮に、"集団行動条項"が適用されることになると、ギリシャ国債のデフォルト=債務不履行が発生したとみなされる可能性が高まる。その場合には、ユーロ圏の信用不安問題がさらに拡大することも懸念される。

ギリシャのデフォルトがポルトガルなどに波及する懸念

 ギリシャの債務再編交渉の展開を見ていると、ギリシャの交渉スタンスは勝手で"虫のよい"協議に見える。多額の借金をしておきながら7割程度を棒引きにしてくれというのだから、「勝手すぎる」と言われても仕方がない。ただ、このギリシャの交渉を進めないと、ユーロ圏の信用不安問題の解決に向けた道筋が見えてこない。関係者としても必死の協議を進めざるを得ないのが実情だ。

 ギリシャの国債発行残高は約35兆円程度と言われており、仮にすべての国債が紙くずになったとしても、世界経済全体に大きな影響を与えることはないだろう。問題は、ギリシャのデフォルトが、ポルトガルやスペイン、さらにイタリアにまで波及するとの連想が働くと、問題はかなり深刻になる。

 もしイタリア国債にデフォルト懸念が高まると、その発行残高は世界第3位の約200兆円に上る。それがデフォルトになるようと、欧州地域だけではなく、世界中の金融機関に大きな悪影響が及ぶ。そうなると、株式や為替などの金融市場は大きく混乱することが想定される。金融市場の混乱は世界の実体経済にもマイナスの影響を及ぼし、回復し始めた景気の腰を折ってしまうことが考えられる。

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