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緊急発表
首都高速距離別料金導入!!
ETC利用で500~900円

記者会見する首都高の橋本圭一郎会長兼社長

 1962年の開業以来、均一料金制を守ってきた首都高速がいよいよ距離別料金へと移行する。これは英断か蛮行か、値上げなのか値下げなのか

 この号の締め切りが目前に迫った11月2日、首都高速道路(株)から記者会見のお知らせのFAXが届いた。内容は「距離別料金への移行について」。以前から取材を進めていた編集部では、「いよいよきたか」という心境でFAXを確認した。

 記者会見で発表された新料金は、事前取材で確認していた内容と同じだった。すでにテレビ等で報道されているように、ETC利用の場合は最初の6kmが普通車500円。以降、走行距離に応じて6kmごとに100円ずつ加算される。24kmを超えると900円になり、そこが上限。後はどれだけ走っても900円である。

 (編)カツマタの場合、荏原←→護国寺間は15・5km。なんのこっちゃ、変わりません。

 いっぽう、現金で支払う場合は距離に関係なく上限料金の900円が徴収される。ただし、郊外に向かって明らかに走行距離が短い場合は割引がある。

 そして、距離別料金導入にともない、料金圏が撤廃された。首都高にはこれまで、東京線、神奈川線、埼玉線の3つの料金圏があり、その圏内は均一料金だった。しかし、料金圏をまたぐとそれぞれの料金が発生する。埼玉から東京を縦断して神奈川に行くと、1700円かかっていた。これが廃止され、埼玉~神奈川が上限の900円ですむ。新料金のメリットだ。

 さらに、休日と平日夜間の割引も廃止され、代わりにNEXCOとの継続割引、中央環状迂回割引などの新規割引が導入される。新料金や割引は、いくつかの表にまとめているので参照してほしい。

 また、現金車支援のさまざまな措置が講じられる。現在、首都高利用者のETC装着率は88・5%。非装着の1割強の利用者のために車載器割引販売、取り付け料金割引、プリンタープレゼントと多彩。ETC利用者にとっては羨ましい内容だ。

 さて、距離別料金は利用者にとって得なのか、損なのか。検証せずにはいられない。

 首都高サイドによると、事前の利用状況調査によると、距離別料金導入で値上げになる利用者、値下げになる利用者、同額の利用者がそれぞれ3分の1ずつ。ざっくりした数字だが、首都高の収入もほとんど変わらないと発表している。

 では、なんで料金制度を変えるのか。国土交通省も首都高サイドも「利用負担の公平」と説明する。長い距離を利用した人が多く払うのが公平な料金制度。それはわかる。

 しかし、制度を変えれば、設備の変更などお金がかかる。加えて。現金車支援策の費用もばかにならない。借金体質の首都高にとって、そんな余裕はないはず。

 そこのところを道路問題に詳しい清水草一氏にビシっとしめてもらおう。

清水草一の見解
最初の狙いから後退意味ない料金改定だ

 そもそも、距離別料金制は実質的な値上げによる増収と、渋滞緩和の狙いがあったんだよね。最初の案は、400円から1200円だった。あからさまな値上げで、初めて聞く距離別料金への反発もあって、世論の大バッシングを受けた。で、引っ込めざるを得なくなったんだ。

 2年経ってほとぼりが冷めた頃、またまた出してきたのが500~900円案。2度目だし、トータルで見れば値上げじゃないという説明に世間も納得しやすかった。

 でも、首都高の収入はほとんど変わらないし、渋滞もそのまま。むしろ、猪瀬さん(東京都副知事)がいうように値下げになる。首都高は、45年での借金償還をなかば強引に飲まされた経緯がある。そのためには値上げしなければムリだけど、それもできなかったわけだ。

 もう開き直りだろうね。どうせ返せないなら、償還期限がすぎても会社が延命できるようにする思惑じゃないかと思う。どっちにしろ、先の話でオレらには関係ないけどね。

「ベストカー」2012年12月10日号より

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