世界経済 金融・投資・マーケット
ユーロ圏問題を複雑化する投機筋=ヘッジファンドの存在
〔PHOTO〕gettyimages

 現在、ユーロ圏の信用不安の問題は小康状態を保っている。その背景には、ECB(欧州中央銀行)が、ユーロ諸国の金融機関に期間3年の低利資金を無制限に供給したことがある。いわゆる"ドラギ・マジック"だ。ただ、"ドラギ・マジック"ですべてが解決したわけではない。金融機関の資金繰りを安定させることで、金融市場の不安感を一時的に沈静化したに過ぎない。

 ユーロ圏諸国が抱える、経済格差による国際収支の不均衡の問題は依然として残っている。強い経済力を持つドイツは貿易収支の黒字を稼ぐ一方、ギリシャなど経済力が相対的に弱い国は貿易収支が赤字になり、最終的にそれが借金の格好=国債発行残高として積み上がっていく。

金融市場の変動を増幅させるヘッジファンドの存在

 もう一つユーロ問題を複雑化する要因に、ヘッジファンドなど国際的な投機筋の存在がある。投機筋は金融市場で利益を上がることを目的としており、収益チャンスがあると見れば、多額の資金を投下して金融取引=オペレーションを繰り返す。金額の大きなオペレーションを行うため、時には金融市場を大きく動かし、相場動向を不安定化することもある。

 今回のユーロ問題についても、早い段階からギリシャやポルトガルなどの国債に空売り(価格が下落することを見込んで、保有していない国債などを借りて売りを行う)を仕掛けたり、ユーロに売りを浴びせるなどのオペレーションを行っていた。そうしたオペレーションによって、ギリシャの国債価格が急落するきっかけを作った。

 為替市場では、一時期、ヘッジファンドはユーロの下落を予想して、ユーロに多額の売りを浴びせるなどのオペレーションを行った。それによって、一時、ユーロが対円で100円を割れて下落する局面もあった。その後、ヘッジファンドが空売りを掛けたユーロを買い戻していることもあり、ユーロ相場は強含みの展開になっている。

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