日本が世界を動かす
2012年01月31日(火) 赤羽 雄二

ブレークスルーキャンプ---2011年、日本が大きく変わった

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ブレークスルーキャンプの成功

 世界に向けたスマートフォン・ソーシャルメディアのアプリ開発を目指して、実装のできる学生エンジニアを中心とした23チーム、100名が、2011年7月中旬から9月中旬まで東京神田で2ヵ月間の合宿をした。

 スローガン株式会社およびマイクロソフト他の協賛企業、および多くの学生・社会人スタッフの協力を得て、24時間使用可能な開発オフィス・ウィークリーマンションの無償提供に加え、食費補助、食品提供、地方からの一往復分の交通費提供、経験豊かなエンジニア・メンターがコーチングという、万全の環境を提供した。(HPFacebookページ)

 高校生から大学院生まで、予想を大きく上回る49チーム160名が全国から応募し、実装経験に基づいて選抜された23チームが全力投球した。暑いさなか、ほとんど家にも帰らず、大きなもめ事もなく、2ヵ月間開発に専念した学生各チームの集中力は、本当に頭の下がる、素晴らしいものだった。

 9月19日の決勝プレゼン大会では、Facematchチームが優勝、直後のジャパンナイト予選では、実績のある多数の社会人ベンチャーを物ともせず突破し、ついには、サンフランシスコでの決勝で英語でのプレゼン・デモを見事にこなして堂々優勝した(http://sfjapannight.com/#)。その後もMashup Awards 7など多数受賞して、大きな話題となっている。

 ブレークスルーキャンプ準優勝は、高校3年生2名からなるengraphチームで、Android携帯用の画期的な電話帳アプリを早々にリリースし、その後の各賞を総なめしている。中心の高橋俊成さんは、一人で企画・デザイン・開発をこなし、朝早くから遅くまで、ブレークスルーキャンプ参加者全員の中でも一番熱心に開発に取り組んでいた逸材だ。

 ブレークスルーキャンプにおいては、毎週木曜日夜に週次全体ミーティングを実施し、著名な方々をお呼びして檄を飛ばしていただいた。MOVIDA Japan株式会社社長孫泰蔵さん、Facebook Japan Country Manager児玉太郎さん、App Bank代表村井智武さん、頓智ドット社長井口尊仁さん(当時)などがエキサイティングなスピーチをされ、毎週100数十名の参加メンバーに世界への夢と興奮を与えてくださった。

 テレビ東京のワールドビジネスサテライトにも取り上げられ、ブログにも多数カバーされて、全国の学生のみならず、ベンチャー界での認知度は非常に高かった。

 これを受け、今年2月より年4回、新進ベンチャー、起業準備中のチームに対し出資し、オフィスを無料で提供し、アプリ・インフラサポートデスクを提供し、きめ細かい企画支援、経営支援、資金調達支援により一緒に世界をねらうブレークスルーキャンプ by IMJが開始される。(プログラムへの参加、および協賛等ご関心をお持ちの新進ベンチャー、創業準備中のチーム、企業の方はこちらまでお願いします。(support-btcamp@imjp.co.jp)

日本の製造業の競争力低下

 半世紀ほど前、日本からは、パナソニック、サンヨー、シャープ、キャノン、トヨタ、ホンダ等のベンチャーが続々と生まれ、すさまじい経営革新努力により、世界に誇るグローバル企業となった。ところが、規模の拡大とともに大企業病が蔓延し、意思決定が遅くなり硬直化した。

 高度成長期以降、一流大卒の本来は優秀な人材が大量に大企業に就職し、減点主義のピラミッド組織を登る中でだんだんと凡庸な人になっていく時代が続いた。お御輿に乗った、事なかれ主義のサラリーマン社長が横並び経営に終始し、事業の選択と集中には長らく踏み切ることができなかった。限界まできて、ようやく改革に着手し始めた大企業も多いが、アプローチは生ぬるく、成果を挙げるにはほど遠い。

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