この目で見たインド教育の素晴らしさ
英語で足し算学ぶ幼稚園生たち

2012年01月30日(月) 田村 耕太郎

インド人に揉まれたくましく育つ日本人

 先日取り上げたインド系インターナショナルスクール(GIIS)の現状をこの目で見てきた。GIIS日本の会長は、元駐日インド大使のアフターブ・セットさんだ。現在慶応大学のグローバルセキュリティ研究所所長である。実際にこの学校を見てみて、想定以上に素晴らしかった。

 場所は都営新宿線瑞江駅から徒歩一分の雑居ビル。雑居ビルと言っても一階二階は居酒屋だ。ここにスクールバスで褐色の目がくりくりしたインド人の子供たちに交じって色白の日本人の子供たちが通学してくる。その日は東京に積雪があり、朝凍結していた日だったのでスクールバスは遅れていた。

 バスより早く着いた私はまず幼稚園から見学。雑居ビルの3階に突如すべて英語の世界が現れる。エレベーターの中にも「学ぶことの大切さ」を説く言葉が随所に貼られている。このエレベーターに乗った瞬間から異国情緒満点だ。

 幼稚園は2歳半からと一年ごとにクラスが分かれている。年少・年中・年長というところ。年少クラスでの子供たちも元気だ。日本人の子供もおしゃべりなインド人の子供に交じって元気に暴れている。この年代からの国際交流が最も壁が低いのではなかろうか?

 インド人、日本人以外にもフィリピン人、日米・日欧ハーフ等想定以上に多様な構成。現在日本人の割合が定員の三割近くに達しているが増える一方だという。スクールバスは江戸川区内しか運行していないが、品川や横浜からも通園している子供がいるという。見学は全国から来るし、この学校に通うためにわざわざ江戸川区に引っ越す家族もいると聞いた。

 園内のいたるところにマハトマ・ガンジーの銅像がある。サンバスラジャン校長は「日本でいうところの二宮尊徳さんみたいな感じでしょうか?! ここはインド人のアイデンティティを学んでもらうところですから」と説明してくれる。

シャイな子供ゼロの世界

 二歳半からの、年少の子供たちは主に英語と算数の基礎を学んでいる。アルファベットをなぞりながら練習し、20までの数字を使いながら覚えていく。なんと年中さんからは足し算をやっていた。しかも年中の最後の段階では二桁の足し算を学ぶ。「この子たちは6問の二桁の足し算を一分以内で解いてしまうのよ」とインド人の先生は笑う。

「本当ですか? やってみせてください」と言うと、先生が「誰かやる?」と皆に聞く。すると日本人含めて全員の手が挙がる。我先に黒板の前に飛び出し、先生が書いた問題を解き始める。一問10秒以内で全員が正解。ここにはシャイとか引っ込み思案とか存在しない様だ。




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田村 耕太郎

(たむら・こうたろう) 前参議院議員。エール大学上席研究員、ハーバード大学研究員などを経て、世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で唯一の日本人研究員を務めた。
国立シンガポール大学公共政策大学院名誉顧問、新日本海新聞社取締役東京支社長。
1963年生まれ。早稲田大学卒業、慶応義塾大学大学院修了(MBA取得)。デューク大学ロースクール修了(法学修士)、エール大学大学院修了(経済学修士)、オックスフォード大学上級管理者養成プログラム修了、ハーバード大学ケネディスクール危機管理プログラム修了、スタンフォード大学ビジネススクールEコマースプログラム修了、東京大学EMP修了。
2002年から10年まで参議院議員を務めた間、内閣府大臣政務官(経済財政、金融、再チャレンジ担当)、参議院国土交通委員長などを歴任。
シンガポールの国父リー・クアンユー氏との親交を始め、欧米やインドの政治家、富豪、グローバル企業経営者たちに幅広い人脈を持つ。世界の政治、金融、研究の第一線で戦い続けてきた数少ない日本人の一人。
2014年8月、シンガポールにアジアの地政学リスクを分析するシンクタンク「日本戦略情報機構(JII)」を設立。また、国立シンガポール大学(NUS)リー・クワンユー公共政策大学院の兼任教授に就任し、日本の政府関係者やビジネスリーダーに向けたアジア地政学研修を同校教授陣とともに実施する。
著書に『君に、世界との戦い方を教えよう 「グローバルの覇者をめざす教育」の最前線から』などがある。